吊るし雛や昔の貴重なお雛さまを愛でる都筑民家園 ひな祭り

  • 投稿日2020.2.28
  • 更新日2022.2.14

梅がほころび、スイセン香る2月下旬の都筑民家園。
2020年2月20日〜3月3日は、ひな祭りウィークです。
大塚歳勝土遺跡公園の中にある都筑民家園はどなたでも無料で入る事ができます。

都筑民家園の場所や行き方などは、こちらの記事を参考にしてください↓
七五三撮影で迷われている方必見。都筑民家園『七五三着物を着て自撮りをしましょう』〈ロコっちセンター南〉

色鮮やかな吊るし雛

ひな祭りの催しは今年で15年目、ボランティアの方による手作りの吊るし雛や作品が年々少しずつ増えています。

子どもの握り拳程の一つの飾りを作るのに3時間程かかるそうです。これだけの数、どれほど長い年月がかかった事でしょうか。

是非細かい所まで観ていただきたいですね。

私の故郷、近隣の福岡県柳川の吊るし雛「さげもん」を懐かしく思い出しました。

時代ごとのお雛さま 女雛のお顔にも注目

こちらでは、時代別に立派なお雛様が飾られています。
女雛のお顔立ちにも注目してみてください。
では、明治時代からみてみましょう。

京都の老舗人形屋「丸平大木」の明治時代のお雛様です。今も続く丸平大木人形店の創業は240年以上前の江戸時代。こちらのお雛さまは110-150年くらい前ですので、かなり年季の入った貴重なものです。
女雛が右(向かって左)に、男雛が左(向かって右)に座っています。
後々、この並びは西洋に習って逆になりますが、京都など関西では今も旧式が残っているそうです。

女雛のお顔立ち。面長美人で顎あたりはややふっくらしていますね。

そして、大正時代のお雛さま。

こちらは、かつて江戸で随一と言われた人形屋「永徳斎」のお雛さまです。小道具に細工された模様が繊細で、気品を感じます。

漆職人による渾身の作品。残念ながら永徳斎はもう廃業してしまったのですが、その作品は今も褪せることなく私たちを魅了させてくれます。

女雛のお顔立ち。
お顔のパーツが控えめで奥ゆかしい日本美人です。

こちらは昭和時代のお雛さま。

私の時代のお雛さまはこれです。S.Y.O.W.A 昭和。
七段のお飾りには、三人官女、五人囃子、右大臣左大臣、三人上戸にお道具の品々。そうそうぼんぼりも!

女雛のお顔立ち。
鼻筋がしっかり通って瞳が少し大きい印象です。

最後に平成時代。

世は核家族化が進み、住まいに合わせ、7段からコンパクト化。
縮小のため五人囃子、右大臣左大臣、三人上戸リストラ。昭和世代にとっては悲しいお知らせでした。
それでも三人官女は現役です。
(令和になった今、三人官女ももう…)

女雛のお顔立ち。
綺麗なタマゴ型の輪郭に、よく見たらうっすら二重まぶた? 時代を感じます。
あくまでも一重っぽい二重の日本的な美人顔です。

今回女雛のお顔に注目してみましたが、時代はもちろん地域や職人さんで異なりますね。

これらのお雛さまは、寄贈されたものや、期間中持ち主からお借りしているものだそうです。

人間の寿命より長く時を重ねたお雛さまたち。
持ち主から離れても多くの人から愛でられ、幸せそうです。

我が娘の平成版お雛さまは遠く離れた福岡で眠っているので、何だか可愛そうになってきました。
ごめんよ……。

じいじが可愛い可愛い孫に張り切って七段を買ったものだから……。(うちは転勤族だよぉ)

古今東西、女の子の健やかな成長を願ってやみません。