たまプラーザの日本文化のコンシェルジュ・着付け講師 松丸明子さん

新しいロコっちのコンシェルジュをご紹介します!たまプラーザで着付けイベントや、着物講座を行っているJTC kimonoの会の松丸明子さんです。

ロコっちでは、着物にとどまらず、「日本文化のコンシェルジュ」として、たまプラーザの日本文化にまつわるお店や活動などを取材いただきます。それに先がけて今回は現在の松丸さんの活動についてお話を伺いました。

今の活動内容を教えてください。

ワイズリビングラボや、山内地区センターを借りながら、着付けイベントを行っています。初回は2018年2月8日で、それから6~7回行っています。最初は「外国人と日本人、着物で交流会」というコンセプトでスタートしました。着付けをするだけではなく、お茶とケーキを用意してのティパーティ、その中で、着物の実物をみせて、知識を教える「ワンポイント着物学」を実施したりしました。

東京や埼玉の日本人が来てくださった一方で、特に外国人の集客が難しいなと感じています。自治体などが無料イベントをやっているので、お金を払ってまで参加しないのですよね。それでも、浴衣の季節では、チラシも今まで通り、日本文、英文両方を準備して、七夕と夕涼み会や夏まつりのでの浴衣の着付け、横浜港でのクルージングに出かけたり、とイベントの幅を広げています。


第1回の外国人と日本人、着物で交流会の出席者のみなさん

若い時から、着物に携わっていたのですか?

着物は幼いころから好きでしたが、七五三の着物くらいで、着物を着る機会はそんなにありませんでしたね。熊本出身で、実家は洋服屋さんだったのですけど、母はよく着物を着ていました。

上京してから、熊本に帰った時に母に着物を着せてもらったり、横浜でもお正月に着たりするようになりました。着付けをちゃんと習ったことはなくて、今考えると、どういう風に着ていたのか謎です(笑)

子どもが出来てから着る機会は全くなくなってしまったのですが、日本文化というくくりでは生け花を始め、草月流の師範資格までとりました。


第2回のイベントでは、山内地区センターでお茶会も実施。

着物だけではなく日本文化が好きなのですね。

そうですね。今一番やっておけばよかったなと思っているのは、お茶です。お茶って形ばっかりから入るから嫌いと思っていたのですけれども、日本文化に触れる機会が増えてくるに従い、懐石料理やお花などいろんな文化の融合で奥深いものだと思うようになりました。

本格的に着付けを始めたのはいつですか?

娘が結婚する前に、着付けを習い始めたんです。その頃私は、不動産関係の仕事をしていて、平日がお休みだったので、青葉区のフラワーアレンジメント講座に通っていました。その同じ場所で着付け講座もやっていたので、私も!と思い、習い始めました。

その後、今年の3月まで十数年、服飾関係の公益社団法人に所属して、着付けを習い、年数が経つにつれ、教える側になっていきました。着付け教室の指導や、国際交流イベントも行うように。外国人留学生に着付けをしたり、和装を通じて日本文化を広めたりする役割ですね。


第3回には大学生も参加

なぜ独立して今のようなイベントをやろうと思ったのですか?

その団体では振袖だけを外国人に着せていたのです。相手が50~60代だったとしても。本来、振袖は結婚したら着られない着物です。きれいだからといって、こうやって誰にでも着せてもいいのか?という疑問がありました。

確かにそれは、日本人からすると違和感がありますね。

そう思っていた時に、たまたま自治体の広報紙で目にしたセミナーに参加しました。昨年の夏の青葉区の起業セミナーに始まり、セカンドキャリアセミナーや関内で行われたソーシャルビジネスセミナーです。成り行きで参加したのですが、そこではビジネスを自分で考えて発表する、という初めての体験をしました。

いろいろと大変でしたが、でもそこで自分なりの着物を通した活動をやってみようと思ったのです。

一連のセミナーが終わった後、立ち上げたのが、JTC kimono 松の会です。JTCはJapanese Traditional Culture(日本の伝統文化)の略です。外国人も日本人も着物着たい方が集まって、絆ができればいいなと思っています。


七夕を皮切りに、浴衣のイベントも開始。

今後、どんな展開を考えていますか?

10月からこれまでやってきたイベントに加え、着付け教室の開講を考えています。まちなかBizあおばのセミナールームで、月に3回程度実施予定です。

説明会を8月30日10:30~同じくまちなかBizあおばのセミナールームで実施します。当日はデモンストレーションとカリキュラムの説明を行います。入会の意思がなくても、大歓迎ですので、少しでも着物に興味がある方はぜひ!

他の着付け教室との違いはどんなところですか?

着物講座の開催です。これは着付けを習っている人も、習っていない人も参加できる機会にしたいと思っています。また、半年に1回くらい着物でのお食事会などのイベントを合わせて行っていきたいと思っています。

着付けは、せっかく自分でできるようになっても、やめると忘れてしまうんです。自転車やスイミングとは違うのですよね。ですので、着る機会を作ることで、着付けを忘れず、着物を楽しみ続けていただきたいな、と思っています。


8月には横浜港でクルージングイベントを開催

着付けは、どれくらい続けると1人でできるようになるのですか?

昔の人は日常的に着てたのだから、簡単に着られるようになる、と思う方が結構多いのですが、実際は半年で着られるようになるのは稀で、それはかなり器用な人ですね。大体きれいに着られるようになるのに1年かかります。

普段使わない指使いで形を整えるのが難しくて、ちょっとしたポイント、手先の使い方が重要なんです。とにかく着るってことをひたすらやり、指使いをマスターしていきます。紬(つむぎ)と柔物(やわもの)でも扱い方が違うので、着物の種類にあった着方もやっていきます。

素人からすると、イメージするのが振袖なので、どうしても値段も高いイメージがあります。

呉服屋さんのイメージがあるんですよね。実際はリサイクルショップも多くて、いい着物が安く買えたりもするので、お買い物ツアーなども講座の中でやってみようと思っています。

着付け教室の他に、実現したいことはありますか?

近い将来では、着物を着て、年賀状用の写真を撮影するイベントをやりたいですね。

また、青葉区に茶道、書道、香道、武道などが集合している場所があって、いつでも日本文化が体験できるというのがあったら素敵だな、と思っています。そしてインバウンドの人も呼び込めたら。まずは、「和フェスタ」のような1日イベントだけでもできたらと思っています。


日本文化を気軽に体験できるスポットを作るのが夢、という松丸明子さん

素敵ですね!松丸さんがそこまで日本文化にこだわるのはなぜですか?

昔は浴衣を学校の授業でも縫っていたように、自然と日本文化に触れる機会がありました。現在は日本文化に興味がある・ない、と言う前にそもそも触れる機会がないですよね。興味がないなら仕方ないけれど、関心があるのに何も知らないという人にはぜひ知ってもらいたいと思うのです。

「茶道」「華道」のように「道」がつくと、極めた人みたいでとっつきにくい印象があると思います。身近なところに引き寄せられるような場所を作っていきたいと考えています。

松丸さんからのお知らせ

JTC. Kimono 松の会 着付け教室 開講説明会
日時:2018年8月30日(木)10:30~12:00
場所:まちなかBizあおば(横浜市青葉区美しが丘1-13-10-107)
申込方法:Facebookイベントページ、またはjtc.kimono@gmail.comまで