新百合ヶ丘ピックアップ! Vol.2 小野桜花さん

新百合ヶ丘を拠点に活躍中の人物を紹介するコーナー「新百合ヶ丘ピックアップ!」。今回ご登場いただくのは、2020年末にラフォーレ原宿で開催の「Flower Cycle Shop」に参加したMiracle flowerの小野桜花さん。大学生でありながら将来に向かって大きな一歩を踏み出した彼女の、夢と希望に溢れたインタビューを、じっくりご覧ください。

Miracle flowerというブランド名どおり
自分の作品で奇跡をループさせたい

 “桜花(おうか)”さんというお名前が、まず素敵ですね。ご家族がどんな想いを込めたのか聞いたことはありますか?

母が“さくら”という名前で、もし女の子が産まれたら“私(さくら)の花”という意味で“桜花”にすると決めていたそうです(桜花さんのお母様は、麻生区の皆さんにおなじみの「まごころキッチンプロジェクト」の小野さくらさんです)。個人的には春より初夏が好きなので、桜がとびきり好きというわけではないんですけど(笑)。好きなお花は、ピンクのチューリップと、デリフェニウムという青いお花です。

お花が好きになったキッカケは?

母親と家の庭で野菜を育てていたからか、小さい頃から植物に興味がありました。理科の授業で野菜を育てる時も、よく手を挙げていたので、先生に褒められていたんですよ。お花に関係するお仕事がしたいとはっきり思ったのは、中学生の頃。きっかけは、好きな男の子に「お花屋さんになりなよ」って言われたからです(笑)。そこから“私は花屋さんになるんだ!”と思い始めて、将来の夢がお花屋さんになりました。

今も変わらずお花屋さんが夢ですか?

自分のアレンジしたお花をお店で販売したいという気持ちもありますし、お葬式の会場装飾をするのも夢です。お葬式って菊のイメージがあると思うんですけど、亡くなった人が好きだったお花を使って、その人らしさを表現してみたいです。あとは、お花に直接関係なく、カフェを作るのも夢ですね。子どもが学校帰りに学童として利用できて、大人にとっては息抜きの場になって、おじいちゃんとおばあちゃんはワイワイ集まれる、どの世代も楽しめるカフェを作りたいなって思っています。

そんなカフェが麻生区にあったら嬉しいので、ぜひ実現お願いします! では、Miracle flowerの活動に関してはいかがですか?

Miracle flowerでは、ロスフラワーと言われるお花をドライフラワーにして作品にしています。学校の行事や街のイベントがコロナの影響でなくなって、オリンピックも延期されたので、お花が大量に余っているんですよね。廃棄されるはずだったお花=ロスフラワーを回収してドライフラワーにしているのですが、自分の部屋もお花だらけで、大学のオンライン授業を受けている時も、ついついお花を見ちゃうんですよ(笑)。そういう時は友達から「どこ見てるの?」って連絡が入るんですけど(笑)、部屋中がお花だらけで幸せです。





桜花さんが手掛けた作品。お花屋さんでアルバイトをしているそうで、お店のロスフラワーをドライフラワーにすることもあるのだとか。

Miracle flowerというブランド名の由来を教えてください。

もともとは自分のインスタのアカウント名なんですけど、“奇跡の花”というキラキラ感が気に入っていたので、そのままブランド名にしました。作品を作る時に私が感じるのは、このお花に出会えたこと自体が奇跡だし、お花を使って表現したもので誰かを笑顔にできたら、それも奇跡だなって。そうやって奇跡のループが生まれるといいなという想いで活動しています。この間も友達の男の子が成人式を迎える彼女にお花を贈りたいということで、花束を作らせてもらいました。喜んでくれたみたいで、幸せのループができて嬉しかったです。


尊敬するフラワーサイクリストさんに教えていただきながら制作したイヤリング。ラフォーレに出店したほかのメンバーとお揃いだそう。


お花に囲まれていると幸せを感じるという桜花さん。この日も大好きなお花の刺繍をあしらった洋服で登場してくださいました。

お友達や家族は、桜花さんの活動を全力で応援してくれているでしょうね。

友達からは「夢があって、早く大学を卒業したいと思うこと自体が羨ましい」と言われます。その言葉を聞いて、やりたいことがあるって幸せなんだなと思いました。家族からは特に何も言われないのですが、昔は人前に出るのが苦手だったのに、今こうして積極的に活動しようと思えるのは、確実に母親の影響(笑)。ラフォーレのイベントは直前に伝えたので驚いていましたけど、会場に来てくれて嬉しかったです。

ラフォーレ原宿で開催された「Flower Cycle Shop」は、何がきっかけで参加することになったのですか?

私が尊敬しているフラワーサイクリストさんがいて、ある時、その方が育成講座を開くことを知ったんです。私もその育成講座に応募したところ、100人以上の応募者のうちの10人に選ばれて、そのメンバーと一緒に「Flower Cycle Shop」を開催しました。ほかのメンバーは、すでにお花と関わる仕事をしている社会人の方ばかりなので、全てが勉強でしたね。私がこれまで作ってきたのは、押し花を額縁に入れたり、ドライフラワーをコップに刺したり、自分の部屋を飾るインテリアとして趣味の範囲での制作だったんです。でもこのイベントをきっかけに初めてお花を組んでみて、“こんなお花が自分の部屋にあったらいいな”という想いを大事にしつつ、“このお花が誰かのインテリアの一部になるんだ”という気持ちで作っていきました。知識も経験もない初心者の第一歩を受け入れてくれて、感謝しています。

イベントを終えて得たものは何でしたか?

自信です! 100人中の10人に選ばれたことも含めて、自分は周りの人よりもセンスがあるんだっていう自信とプライドが生まれました。大学では社会園芸学科で花と人間の関わりを学んでいるのですが、同じ大学の子たちより大きいことに挑戦しているという自覚もありますし、ここまでできるのは多分私しかいないだろうと思っています(笑)。



昨年末にフラフォーレ原宿で開催された「Flower Cycle Shop」の様子。

そこまで桜花さんを突き動かすお花には、どんな力があると思いますか?

お花って生活必需品ではないんですよね。でも、結婚式やお葬式、入学式や卒業式など、特別な日にとってお花の存在って大きいと思うんです。香りによる癒しの効果もありますし、蕾が開いた時の感動は生き物の成長にも通じていて、お花を育てることで動物や小さい子に対する優しさもそなわってくると思います。あとは、季節の変わり目を感じられるのも植物の力ですよね。春にお花が咲き始めると、日本に生まれて本当に良かったなって思います。

お花を使って今一番表現したいことは?

ほのぼのした世界観かな。自分の性格を、そのままお花に表すのが一番の理想です。人によっては自己満足だと言う人もいると思うんですけど、洋服のデザイナーさんと同じで、ある一定の人に響く世界観を作り続けて、共感と感動をしてくれる人を増やしていきたいなと思っています。その先の理想は、お花の監修や空間装飾のデザイナーなどで映画やドラマのエンドロールに名前が載ること。小野桜花という名前を刻みたいです(笑)。

桜花さんの活躍を楽しみにしています。では最後に、新百合ヶ丘の好きな風景を教えてください。

一番好きなのは、川崎市アートセンターから千代ヶ丘に向かうバス通りです。冬はカエデの木にイルミネーションが点灯されてキレイですが、私は初夏の風景が好きで。梅雨が明けると緑の芽が出て、夏には緑が満開になって、秋には真っ赤な紅葉になり、冬に葉が落ちる。その移り変わりが毎年楽しみですね。面白いことに紅葉には順番があって、アートセンターから千代ヶ丘のほうに向かって赤くなるんですよ。理由は分からないけど、それを見ると1ヶ月後には奥のほうの葉も赤くなるのか、楽しみだなって毎年思います。オススメなので、ぜひ注目してみてください。

取材後記


大学に通いながらロスフラワーで作品を作り続け、生花店と有名テーマパークでアルバイトもしている多忙な桜花さん。今は夢を見つけるのが難しい時代ですが、子どもの頃からの夢に着実に近づき、実現しようとするその姿から、勇気と希望をもらいました。本人もおっしゃっていましたが、このバイタリティーは、きっとお母様ゆずり。家族とお花の存在が、彼女の夢を叶えるパワーに、これからもなってくれるはずです。夢の実現に必要なのは努力と行動力(もちろん才能も)。そんな基本的なことを改めて教えてくださった桜花さんを、これからも応援しています!

プロフィール

小野桜花(おの・おうか)○大学生であり、フラワーサイクリスト「Miracle flower」として活動。100名以上の応募者の中から選ばれたフラワーサイクリストのアンバサダー“Flower cycle*Ambassador”のメンバーとして、2020年11~12月にラフォーレ原宿で開催された「Flower Cycle Shop」に出店。

Miracle Flowerのインスタグラムはこちら:?Miracle flower

lossfower10としての活動はこちら:@lossflower10

 

撮影協力


撮影にお借りしたのは、麻生川沿いにある「roo cafe」さん。天然酵母やオーガニックの国産小麦など、素材にこだわった無添加のパンを販売する「KANGAROO」のお隣に2019年9月にオープンしました。「KANGAROO」のパンを使ったサンドや、季節の素材を使ったスープなど、体に優しいランチなどが楽しめます。また2階の一部は、作品発表の場やワークショップ、勉強会など様々な用途に使用できるそうですよ。

roo cafe(ルーカフェ)
川崎市麻生区上麻生3-21-11
営業:パン/金土日7:00~17:00 カフェ/金10:00~17:00、土11:00~17:00(日曜日はしばらくの間お休み)
電話:044-955-1591
HP http://ohinakatsubo.jp/kangaroo.html
インスタグラム https://www.instagram.com/roo_space/
Facebook https://www.facebook.com/roospace/
Twitter http://ohinakatsubo.jp/kangaroo.html

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