今年の夏も、気候変動による猛暑や大雨、そしてコロナ感染の緊急事態宣言の異常な夏です。賛否両論のオリンピックも何らかの感動を残して終わりました。若いヒーローがたくさん誕生し、希望の灯をともしてくれましたね。

黒川のマイコンシティを通って帰路につくと、お盆休みで大半の企業が夏休みです。親も子も夏休みで、旅行や海や山、そしてプールと楽しい思い出をつくる事ができるのに、今年は我慢の年になりそうですが、麻生区での楽しみを発見できる夏休みでもあるのかもしれません。

王禅寺に住む友が『私は駅や繁華街に遠く、別荘地のようなところに住んでいるから、ここで夏を楽しむのも良いかなと思っているよ。』と言っていた言葉にリゾート感を感じた事を思いだしました。

白鳥のマンションに住んで間もない頃の6月の中旬、鳥の声で朝早く目覚めた私。外に出ると、朝の散歩を楽しんでいる多くの人の姿がありました。私が住む白鳥4丁目、別荘のような造りの家、ペンションのようなオシャレな戸建てが建ち並び、家々の花々が咲き乱れ周囲の森の新緑がまぶしくまるでリゾート地にいるような錯覚をしたのです。この錯覚は別の場所でも感じたのです。

麻生区のまちは百日紅(サルスベリ)の花がお庭や街路樹にこぼれるように咲いています。麻生区の中でもサルスベリの並木が長く続く場所があるのです。数年前の夏ここを歩いてみると、大木のサルスベリの木に薄桃色の花が美しく咲き、アサオガーデンのプールで遊ぶ子供たちの賑やかな声が聞こえてきました。涼風がビルとビルの間から吹き、並木はほどよい木陰をつくり、やはりプチリゾート気分でした。


数日前、サルスベリは咲いているかな? アサオガーデンのプールはオープンしているかな? と新百合ヶ丘駅からのデッキを通って歩いてみました。マンションの緑道とデッキからの歩道が一体になり避暑地の緑の中を歩いている気分です。テッポウユリの仲間のタカサゴユリが涼しげに咲いています。



フットサルクラブのグラウンドもフェンス越しに望め、時々ロマンスカーの警笛が聴こえてきます。麻生スポーツセンターの建物の先からサルスベリの並木道が続きます。今年は花付きが悪く、咲いていない木もたくさんありますがステキな散歩道です。アサオガーデンのプールは営業していました。子どもたちの姿はなかったですが、スタッフの方やプールサイドのイスでくつろぐ客人たちの姿がありました。やはりプチリゾート気分です。



多くの夏の花にみられる、朝、花が開き、午後にはしぼみ、数日で散ってしまう百日紅、月見草、朝顔、蓮の花、沙羅などのはかない命の花々です。そして夏の終わりを告げる芙蓉の花。芙蓉とは本来、蓮の花のことで中国では水の中に咲くものを水芙蓉、木に咲くものを木芙蓉と呼んでいたと言う説もあるのです。深い緑に青い空、夏景色だからこそ映える花たちなのです。夏は命のはかないものが多いですね。


もくもくと湧く積乱雲、青い空。暑い暑いと言ってもわずかの期間。黒雲と稲光ピカピカゴロゴロザアザアそれでも短時間の夕立。ミーンミーンジィジィ啼く蝉の短い命。孫と楽しんだ線香花火。それでも夏に出会った事、人、風景すべてのものが、不思議とわすれがたく心の中に深く残るものなのです。だから来年の夏が待ち遠しくなるのでしょう。はかないからこそその時その瞬間においてほとばしる魂の奔流が輝いているのです。

まだまだ夏休みは続きます。麻生区の夏を楽しんでくださいね。来年何処へでも飛び出せる夏になると良いですね。