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「あさお希望のシナリオプロジェクト」とは
10年後を目標に、多様なつながりや居場所があり、お互いに認め合い、誰もが幸せでいられる「希望のシナリオ」の実現を目指すプロジェクトが川崎市でスタート。
麻生区では「みんながつながる みんなが輝く I♡ASAO」をキャッチフレーズに、約50名の区民がまちづくりについて考え、プロジェクトに参加しています。
ロコっち新百合ヶ丘のメンバーもそのひとりで、いくつかの工程を経て「まちのひろば」の視察をグループごとに行い、11月15日の検討会で視察発表を行いました。(まちのひろば=地域の居場所のこと。物理的な空間だけではなく、人と人のつながりや関係性を築く機能や概念のことを指し示します)
あさお希望のシナリオプロジェクトに関してはこちら
柿生・岡上エリアの視察を発表
5つのグループのうち「グループ4」である私たちは、柿生・岡上の「まちのひろば」を視察。柿生エリアでは「柿生郷土史料館」「おっ越し山ふれあいの森」「柿生の里特別緑地保全地区」「SUN FARMERS CAFE」、岡上エリアでは「ゆらりん家」「カルナエスト」を訪れ、お話をうかがいました。
視察発表会に向けて各チームが資料を制作したのですが、私たち「グループ4」には動画制作が得意な方がいらっしゃったので、映像で発表をすることに。
完成した映像がこちら
柿生エリア
岡上エリア
視察から見えてきたものとは・・・
映像の補足として、メンバーそれぞれが感じたことを口頭で発表しました。そちらの内容をご紹介します。
柿生郷土史料館
☆施設説明☆
・柿生中学校の敷地内に位置する
・柿生・岡上は川崎市内でも有数の古代古墳が多数発見された地域のため、貴重な有形・無形の文化財を守る意味で「柿生郷土史料館」が設立された
・土器や江戸時代の本は実際に手に取ってじっくり見ることができる
・お土産に土器のかけらをいただいた
☆気になったワード☆
・柿生地区は昔から教育に熱心であった
・カルチャーセミナーは毎回30人くらいの人が集まる
・柿生は文化人が多く、皆様に講義を依頼している
・来場者はシニアが4割、残りは学生や若い人たち(シニアがほとんどかと思っていたため意外だった)
☆課題☆
・現在、管理をしているのはシニアばかりのため、次世代へ引き継げるかどうかが心配
・市や区からはわずかなコピー代しかでないため、寄付でまかなっている
おっ越し山ふれあいの森(0.2ha)・柿生の里特別緑地保全地区(1.9ha)
☆場所の説明☆
・「柿生の里散歩道」の中の「柿生の里みどりの小舟」と呼ばれる一帯にある
・おっ越し山に続く道にミニ花壇があり、散歩をする人たちのちょっとした憩いの場に
・森の中に生活道路があり、通勤、通学で使う方も多い
☆気になったワード☆
・歴史を知ると地域に根っこがはれる
・ちょっと休める場所ってとっても大切(手作りベンチが所々にある)
・現場を知らないで将来のことは考えられない。だから一度体験に来てほしい
☆課題☆
・ナラ枯れが深刻な問題
・公園・緑地は市の財産であり公的なパブリックスペースであるが、管理運営に予算があまりなくボランティア頼みでは、より良き自然環境を次世代に手渡していくのが難しい。協働を今一度考えては。
・柿生の里特別緑地保全地区は、音楽会やワークショップをするスペースはあるが、水やトイレがなく、あさお里山こどもクラブなどの講座は開催できても不特定多数のイベントは困難である。
SUN FARMERS CAFE
SUN FARMERS CAFEのHPはこちら
関連記事「親子で楽しめるコミュニティカフェ“SUN FARMERS CAFE”が新百合ヶ丘・柿生エリアにオープン」はこちら
☆場所の説明☆
・柿の実幼稚園が運営するカフェで、園で採れた野菜を使用している
・保護者が気兼ねなく子どもと一緒に食事ができるようにという想いで作られた
ゆらりん家
☆施設説明☆
・在宅医療・介護ケアサービスの「株式会社リンデン」が展開する在宅介護施設
・地域の人に気軽に利用してもらうため、日曜日は開放している
・地域をつなげるための手頃なお弁当を提供し、地元の人がボランティアでお弁当作りを手伝っている(中には小学生も)
☆気になったワード☆
・小地域
・無理強いしない
・「なきゃ」「べき」でないこと
・健康体操を毎回楽しみにしている方がいらっしゃる(生きがいになっている様子)
カルナエスト
☆施設の説明☆
・岡上で収穫されたワイン用ブドウを使った初の市内産ワイン「川崎 蔵邸ワイン 岡上ロゼ」を製造
・120年前に建てられた蔵の2階ではワインスクールを開講
・新百合ヶ丘駅近くのLily’s by prometyを運営
・地元素材を使ったビール「岡上エール」を和光大学の学生と一緒に制作
・代表の山田さんは果実酒の製造免許を取得し、ブドウ栽培から醸造まで全て自分で手掛けることが可能に(果実酒の製造免許取得は川崎では山田さんが初)
☆気になったワード☆
・お百姓さんと生産者の違い
・ブドウからワインまで地元で作る
・岡上版SDCを作る(1軒屋を借りてスペースを準備中)
・農業を次世代に繋げる構造改革をしたい
・最新技術の農業で、障がい者の雇用創出に繋げたい
・都市農業を進めたいが、新しいことを始めるには様々なハードルがある
・農業は「法」がとても複雑なので、法の整備が必要
柿生・岡上エリアを視察して出てきた、共通ワード
・自分が言い出したからには、活動に責任を持つ
・次世代への引き継ぎが難しい
・お年寄りと若者の共生が難しい
・皆さん楽しそうに歴史を語っていた=地域愛は歴史の知識量と比例するのかも
ほかにもこんな視察発表が
私たち以外のグループも、それぞれ素晴らしいまとめでしたので、ここで一気にご紹介したいと思います。
(各グループが制作・発表した資料を、プロジェクトメンバーである“ホワイトボードの達人”の方がまとめてくださいました。なお、グループ5のイラストマップもメンバーによるものです)
●「グループ1」視察先/新ゆりアートパークスきずな、麻生市民交流館やまゆり、特定非営利法人アルデンテ
●「グループ2」視察先/麻生いこいの家、麻生子ども文化センター、cafe peas
●「グループ3」視察先/虹ヶ丘コミュニティルーム、早野聖地公園里山ボランティア、ヨネッティー王禅寺
●「グループ5」視察先/はるひ野里山学校、かないばら苑、読売交響楽団練習場、よこみね緑地、伸和コントロールズ、地区町内会・小田急のくらし部(共にCAFE & SPACE L.D.K.)
今後のプロジェクトの動き
「まちのひろば」の視察で得たことを踏まえ、基本的には麻生区民が自分たちの意思で今後の進め方を決定しますが、来年度中にSDC(ソーシャルデザインセンター)モデルの実施を行うことが理想だと思われます。
年齢も性別も国籍も超え、参加者が一体となって10年後の麻生区を考えるこのプロジェクト。“市”や“区”という大きな規模で捉えることも大切ですが、まずは自分の子どもが、この先もずっと麻生区に住み続けたいと思えるようなまちづくりを目指すという意識を持ちながら、今後もこのプロジェクトに関わっていければと思っています。