LGBTQがテーマの映画上映会&トークショーを通して見えた“自分らしく生きる”こと

麻生区を中心に活動しているLGBTQ共生団体の“Allyの森”が、「映画からまなぶ生きやすさのヒント」と題し、5月28日に麻生市民館でイベントを開催。

LGBTQがテーマの映画「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」を制作した常井美幸監督、主人公の小林空雅さん、空雅さんの母親である小林美由起さんのスペシャルトークと映画上映会に、約30名の方が参加しました。

映画では、空雅さんがセーラー服を着ることに違和感を覚えた中学生時代から、初めて学ランを着た日の様子、20歳で子宮と卵巣を切除した性別適合手術、Xジェンダー(性別なし)という性別について周囲の理解を得る人物との出会いなど、9年間に密着。

作品を元に展開されたスペシャルトークでは、登壇者3人から様々なメッセージが届けられました。

(写真左より)Allyの森 代表・藤本加奈さん、監督・常井美幸さん、主人公・小林空雅さん、主人公母・小林美由起さん


「空雅くんを追いかけた9年間は、空雅くんの変化でもあり、日本社会の変化でもありました。色々な人がそれぞれの価値観を大切にしてほしいし、“それで良いんだよ”と分かち合う社会に近づいたら嬉しいなと思います」と語った常井監督。

社会の変化に質問が及ぶと、「アンケートなどで”その他”や”無回答“という項目が加わったり、学校に多機能トイレができたこと」と答えた空雅さん。

映画への出演について「実名を公表して顔も出せば、空雅のような子が存在しているということがリアルに届くと思った」と語る美由起さん。

 

我が子の性別違和の受け入れについて、「目の前にいる大切な人が『お腹が痛い』と言っていたら、苦しみを取り除いてあげたいですよね。
それと同じで、空雅は女の子として生きる日々が苦しいのだ、と。であれば、苦しみを取り除くのは当然だと思ったんです」と美由起さんは語りました。

そして、「子どもの意見は“ウソだー!”と心の中で思っても真摯に受け止める。そのことを空雅が小さい頃から意識してきました」という言葉からは、LGBTQのテーマに関係なく、一環して空雅さんを尊重する姿勢が見られ、子育て真っ只中の筆者の心にグサリと刺さりました。

ほかにも、自分らしく生きるヒントや、子育てのヒントになる言葉に溢れた30分間。そちらの様子は下記で視聴できますので、ぜひご覧いただければと思います。
「映画からまなぶ生きやすさのヒント」トークショー映像

そして、空雅さんの9年間を追ったドキュメンタリー映画「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」は、有料配信上映されています。
自分らしく生きることの尊さが再確認できる本作品を、おひとりでも、大切な人と一緒にでも、ぜひご覧ください。
映画「ぼくが性別『ゼロ』に戻るとき 空と木の実の9年間」

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今後の市民向け講座スケジュールはコチラをご覧ください。

 

 

 

 

 

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