KAWASAKIしんゆり映画祭2022 映画紹介vol.3

「第28回KAWASAKIしんゆり映画祭2022」(公式HP

◆期間 10月30日(日)、11月3日(木・祝)~6日(日)
◆会場 川崎市アートセンター
◆前売券 セブンチケットにてWEB発売中!当日券よりも安くてお得!全席指定なので、
良いお席はお早めに!!。
セブンチケット (検索窓に「しんゆり映画祭」と入れてください)

今年のKAWASAKIしんゆり映画祭のご紹介も最終回!
目を向けてほしい世の中の問題についての作品や、なかなかスクリーンで観る機会のない
名作まで、幅広く取り揃えています!

【自分らしく生きたい “見て、知って、考える”】

身近にありながら、つい見過ごしそうな大切な問題を気づかせてくれる4作品です。

『マイスモールランド』

① 11月5日(土) 18:00
② 11月6日(日) 14:00 ※ゲスト 川和田恵真監督 嵐 莉菜さん

バリアフリー情報 UDCast®対応作品
2022年/日本・フランス / 114分
監督・脚本:川和田恵真
撮影:四宮秀俊
出演:嵐莉菜 奥平大兼 藤井隆 池脇千鶴

【あらすじ】
17歳のクルド人の女子高生サーリャは、故国を逃れ幼い頃家族と来日。日本人と変わらぬ
高校生活を送り、アルバイト仲間の聡太とは親交を深めている。ある日、一家は難民申請
が不認定となり在留格を失う。日常の生活が次々と奪われ、孤立していくサーリャ。理不
尽な社会と向き合いながら考える自分の居場所とは…。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
在日クルド人の方々への丁寧な取材を重ね生み出された作品。日常生活が切々と描かれ、
リアルな感触が胸を打つ。サーリャがアイデンティティに悩 み、聡太と少しずつ気持ちを
寄せ合う姿は瑞々しく切ない。美しい映像も必見私たちは何を問いかけられているのか?
今だからこそ観て、知って、考えたい。(C.T)
※ゲストにつきましては変更になる場合がございます。詳しくは映画祭の公式HPでご確認
ください。

 

『ツユクサ』

①10月30日(日)(終了しました)
②11月5日(土) 10:00

バリアフリー情報 副音声イヤホンガイド付き上映
2022年/日本/95分
監督:平山秀幸
脚本:安部照雄
撮影:石井浩一
出演:小林聡美 松重豊 斎藤汰鷹

【あらすじ】
小さな港町に暮らす芙美。気の合う友人や年の離れた親友との時間を大切に過ごしていた
。ある日、運転する車に隕石が衝突。1億分の1の出来事に何か奇跡が起こるのか…。彼
女がひとりでこの町に暮らすのには理由があったのだ。同じように町に越してきた篠田と
の運命的な出会いを通して、日常に少しずつ変化が訪れる。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
主人公がつらい過去を抱えながらも、日常の中にささやかな幸せを見出していく姿が丁寧
に紡がれています。脇を固める豪華俳優陣とのコミカルな掛合いにほのぼのさせられます
。誰しもが少なからず事情を抱えていたり、人との距離の縮め方に迷ったりするものです
。そんな大人に寄り添ってくれるあたたかい作品です。(C.T)

『グレート・インディアン・キッチン』

①10月30日(日) 18:15(終了しました)
②11月4日(金) 15:00

2021年/インド/100分
監督・脚本:ジョー・ベービ
撮影:サール・K・トーマス
出演:ミニシャ・サジャヤン スラージ・ヴェニャーラムード T・スレーシュ・バーブ

【あらすじ】
インドの高位カーストの男女がお見合い結婚をし、夫の両親との同居生活が始まる。舅は
頑固な伝統主義者で、料理は一日三食作り立てが当たり前だった。一切の家事を担う重労
働の日々。夫も身勝手な要求ばかりで妻を助けない。その重荷から逃れられるのは、彼女
が穢れた存在とされる生理期間のみだった。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
夫と舅が求める伝統的生活では電化製品を使わない、洗濯は手洗いなど、新婚の妻を追い
詰める。そんな中でも手際よく作られる料理シーンは映画のスパイスになっている。都会
的な妻は慣習に合わせようと奮闘するが…。遠い国の話ではない身近な出来事。鳥の声、
景色、結婚式やダンスのシーンはとても美しい。(ジャスミン)

 

『犬部!』

①11月4日(金) 10:30 ※ゲスト 篠原哲雄監督
②11月6日(日) 17:45

2021年/日本/114分
監督:篠原哲雄
撮影:鶴崎直樹
原案:片野ゆか(『北里大学獣医学部 犬部!』ポプラ社)
脚本:山田あかね
出演:林遣都 中川大志 大原櫻子 浅香航大

【あらすじ】
獣医学生の花井は「どんな命も殺さない」をモットーに、友人の柴崎と行き場のない犬猫
保護活動の『犬部』をたちあげた。卒業後花井は開業獣医に、柴崎は保健所職員としてそ
れぞれのやり方で犬猫を救おうと歩みだす。ある日、花井が保護犬の窃盗容疑で逮捕され
てしまい、かつての犬部部員がふたたび集まることになるが…。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
映画はフィクションだが、実在の『犬部』は2004年の設立。その後16 年で日本の犬猫の
殺処分数は約12分の1になった。数を減らせたのは活動の成果だろう。動物保護に係る専
門家、ボランティア、市井の人々の努力の一端を見て 欲しい。作中「カメラを止めるな」
のしゅはまはるみさんのボランティアぶりは名演。(Y.F)
※ゲストにつきましては変更になる場合がございます。詳しくは映画祭の公式HPでご確認
ください。

【今観るべき知られざる名作】

今から58年前の作品ながら、ここで描かれるのはまさに現在の世界が直面している問題。
名優たちの迫真の駆け引きから目が離せません!

『未知への飛行-フェイル・セイフ―』

①11月3日(木・祝) 10:15 ※ゲスト 森田健司さん(映画評論家)
②11月4日(金) 18:30
1964年/アメリカ/112分
製作国:アメリカ(コロンビア・ピクチャーズ)
監督:シドニー・ルメット
脚本:ウォルター・バーンスタイン ピーター・ジョージ
撮影:ジェラルド・ハーシュフェルド
出演:ヘンリー・フォンダ ダン・オハーリー ウォルター・マッソー

【あらすじ】
コンピューターの誤作動から核攻撃の指令を受けた米国の爆撃機がモスクワに向かった。
取消指令にも拘らず爆撃機は帰還可能地点(フェイル・セイフ)を越えてしまう。米国大
統領はホットラインでソ連首相に自国機の撃墜を依頼するが、攻撃をすり抜けた一機がモ
スクワ上空に迫る。報告を受けた大統領は重大な決断をする…。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
「12人の怒れる男」のS・ルメット監督とH・フォンダ主演による核戦争の勃発回避をめぐ
る政治サスペンスの名作。政治家などから核兵器の使用や保有をめぐる発言が飛び交って
いる今こそ必見。本作と同テーマで同年(1964年)に製作されたS・キューブリック監督
「博士の異常な愛情…」との比較も面白いかも。(委員長)
※ゲストにつきましては変更になる場合がございます。詳しくは映画祭の公式HPでご確認
ください。

 

【しんゆりこどもシアター】

親子ではもちろん、子供の頃を思い出しながらなつかしい名作をお楽しみください!

『長くつ下のピッピ』(日本語吹替版)

①11月3日(木・祝) 14:45
②11月6日(日) 10:00
1970年/スウェーデン・西ドイツ合作/78分
監督:オッレ・ヘルボム
原作・脚本:アストリッド・リンドグレーン
撮影:カッレ・ベルイホルム
出演:インゲル・ニルソン(日本語吹替:岸田今日子)
ベール・スントベリー(伊藤幸子) マリーア・バーション(山乃廣美)

【あらすじ】
トミーとアニカの隣のお家"ごたごた荘"に、赤いおさげにソバカスだらけで世界一力持ち
の女の子・ピッピがやってきます。3人はすぐに仲良しになって、お菓子を買い占めたり
、気球に乗ったり、自由で素敵な毎日を過ごします。ある日、ピッピがお父さんからもら
ったたくさんの金貨を狙って2人の泥棒が近づいてくるが…。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
今年は原作者リンドグレーンの没後20周年。世界中で愛され、誰もが知っている「長くつ
下のピッピ」。でもこの映画版をご覧になった人は意外と少ないのでは?自由奔放なピッ
ピのキャラクターは今観ても強烈です。そしてあの有名な日本のアニメ映画の主人公のモ
デルになっています!それは観てのお楽しみ!

【プレゼント企画】
上映時に劇場でお配りするハガキに、映画の感想やお出かけの思い出を絵や文章にして、ポストに投函してください。抽選で、原作本や映画祭グッズを差し上げます。

【これからの濱口竜介】

「ドライブ・マイ・カー」で世界の映画賞を獲得し、今や〝世界の濱口竜介〟。その濱口
監督の最新作を新百合ヶ丘地区で初の上映です。

『偶然と想像』濱口竜介短編集

第一話 魔法 (よりもっと不確か)
第二話 扉は開けたままで
第三話 もう一度
① 11月4日(金) 10:00
② 11月6日(日) 18:00
バリアフリー情報 UDCast®対応作品
2021年/日本/121分
監督・脚本:濱口竜介
撮影:飯岡幸子
出演:古川琴音 渋川清彦 占部房子 河合青葉

【あらすじ】
1:モデルの芽衣子は撮影帰りのタクシーの中、友人の恋バナを聞かされ、その後ひとり
向かった先は…
2:作家で大学教授の瀬川に逆恨みした生徒が同級生の奈緒に色仕掛けの共謀をもちかけ

3:同窓会に参加するため仙台に来た夏子は駅のエスカレーターで旧友とすれ違い駆け寄
る。20年ぶりの再会を喜び話し込むが…

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
コロナ禍だからこそ見直したい「対話」の大切さ。人生の痛みを乗り越えて再出発するヒロ
インたちの姿に心が温かくなり、そして気づくでしょう、偶然は「必然」だったと。偶然

に驚き戸惑い、想像をめぐらせ、会話の緊張感と臨場感、大勢で見て生まれる会場の連帯
感…と、様々な「映画体験」をお楽しみください!(ゆーみん)

 

【佐藤忠男先生追悼上映】

KAWASAKIしんゆり映画祭に長年にわたりご尽力いただいた映画評論家の佐藤忠男先生が
、今年の3月にお亡くなりになりました。特にアジア映画の良作の紹介に力を注いできた
先生の功績を称え、この映画祭で過去に上映されたアジア映画の中から厳選した1本を上
映します。

『オールド・ドッグ』

①11月5日(土) 10:15
2011年/中国/88分
監督・脚本:ペマ・ツェテン
撮影:ソンタルジャ
出演:ロチ、ドルマキャプ、タムディンツォ

【あらすじ】
チベットの牧畜民の老人は老マスチフ犬を飼っている。折しも富裕層の間にマスチフ犬ブ
ームが起き、犬泥棒が現れたり、しつこく付きまとう仲買人がやってきたり、心の休まる
暇がない。老人の息子までもが大金を得たいがために、犬を高値で売り飛ばそうとする。
しかし老人は「犬は民族の誇り」と手放すことを頑なに拒む…。

【映画祭スタッフからのオススメコメント】
2012年の本映画祭で上映。第12回東京フィルメックスグランプリ受賞作品。経済発展の進
むチベットを背景に、犬との関係を通じてチベット民族の現状や誇り、失われていく文化
について描いた作品。衝撃のラストに息を飲みます。佐藤氏はアジア各国の優れた作品の
紹介に情熱を注がれていました。この作品は、特集上映以外ではまだ一般公開されていな
い作品。貴重なこの上映の機会をお見逃しなく!