ショッピングモール大国センター北・センター南。
ただ利用するだけではもったいない! 施設のコンセプト、都筑への思い入れ、トリビアなど、館長にインタビューしました。
各モールの個性や魅力に改めて気づいてもらえると嬉しいです。
第3回目は、センター南・サウスウッド館長の名和大介さんにお話を伺いました。
※このインタビューは「みなきた通信vol.3」のショッピングモール特集に基づいて行ったものです。


目次
サウスウッドのコンセプト


ー(ロコっち)まずは、サウスウッドのコンセプトを教えていただけますでしょうか。
(名和さん)ハード面の特徴は、2013年に開業した当館は、耐火木造を採用した日本初の大型木造商業施設 というのが特筆すべきところですね。
当時、森林を管理するために間伐されていた国産の木材を活用しようという国の政策がありました。弊社はその制度を利用し、大規模耐火木造建築の技術を持つ竹中工務店さんに建築を依頼して当館が開業しました。
2022年より当館3階に木造建築にまつわる展示スペースが設置されたので、よかったらそちらもぜひお立ち寄りください。


ソフト面でいうと、開業当初からのコンセプトは「街に訪れる人が憩うコミュニティ形成の場となる “次世代型の新しい商店街”」。上質感を大切にしながらセンター南駅前の空間演出を担っていくという役割を自負しています。
なので、上質な時間をお客様に提供できるように、誘致するテナントさんにもこだわりがあるんですよ。とはいえ、街のニーズも日々変わっていくわけで、その辺りも意識し「こだわりすぎない」ことも大事にしています。これは開業当時の我々のこだわりがこの街にすべて受け入れられたわけではなく、わずか2~3年でテコ入れを余儀なくされたときの苦い経験からの学びです。
都筑区への思い入れ
ー(ロコっち)地域との関わり方など教えていただけますか?
(名和さん)サウスウッドを運営する弊社「株式会社横浜都市みらい」は、都筑区が誕生するより前の35年前にこの地に設立し、創業当時から地域の活動支援や街づくりに関わってきました。
そのような経緯もあり、他の商業施設のように母体の大きな会社とは街の見方、関わり方がまた少し違っているのかもしれません。
都筑区に住んでいる方とお話すると、みなさん「歩道が広い、街がきれい、住みやすい」とおっしゃるんですね。嬉しいですよね。
弊社は、この港北ニュータウンを開発したUR都市機構の関連会社です。私個人としては、「URさん、港北ニュー タウンという素晴らしいインフラの街を作ってくれてありがとう!」と思っているのですが、そのURはもう新たにこのような大規模ニュータウンを開発する仕事はしていません。
だからこそ、港北ニュータウンは今や貴重なのかもしれません。
弊社はこれからもずっとこの街に関わっていきたいですし、港北ニュータウンができて移住してきた方々が年を重ねて、3世代で楽しめる街になったときには、その受け皿にもなっていたいです。
お客さんにとってどんな存在でありたいでしょうか
(名和さん)他のショッピングモールのような100店舗以上を抱える規模に比べると、ご存じの通りサウスウッドは約 30店舗と規模感は小さいですよね。
逆にその規模感を活かしながら、1階は通り抜けできる動線を確保していることで、ほとんどの店舗が外から直接入れる路面店になっています。
駅前の広場と当館のテラスはバリアフリーで街に溶け込むような一体化した造りになっている ので、センター南駅前の一部と認識してもらえているのではないでしょうか。広場に面した当館の西側では今夏は風鈴、秋はハロウィン、とシーズンごとに植栽や飾り付け等を工夫して環境演出をしているので、季節を感じられるモールであれたら嬉しいです。




サウスウッドトリビアをご紹介
ここからはサウスウッドのトリビアをご紹介します。
1. 店舗内にある大きな柱
様々な店舗内にある柱や梁は木造建築であることを象徴する存在です。


2. フレッシュネスバーガーのお得な「サウスの日」
毎月10日はフレッシュネスバーガーサウスウッド店限定のお得な「サウスの日」。対象メニューは月替わりで、通常セット価格よりお得になります。


3. 「ファームドウ港北マルシェ」では横浜銘菓も販売
ファームドゥ港北マルシェでは、青果・精肉のほかに重慶飯店の中華菓子、ありあけのハーバー、美濃屋あられ製造本舗のおかきなど横浜銘菓も販売しています。


4. カフェ業態の「サーティワン」は全国でも希少
サーティーワンアイスクリーム港北センター南サウスウッド店は、全国でも珍しいカフェ業態の店舗。また、クレープ(11月~3月限定)を提供するサーティーワンは、神奈川県内にあるサーティーワン店舗83店舗中7店舗しかないという希少さです。※2025年1月現在


筆者が思うサウスウッドの魅力
ショッピングモールとして、センター南駅に1番近い立地にあるサウスウッド。上質な国内生産の家具屋さんが集結しているモールは全国でも珍しく、入っている飲食店も多様性があります。
そしてちょっと変わった視点ですが、私が特筆したいのは、当館共用のベンチ。
港北マルシェ前の吹き抜け広場にあるベンチは、木材・プラスチック再生複合材が採用された「エコウッド」を使用したもの。SDGsを掲げるサウスウッドならではの取り組みです。
また、2023年に増設された駅前に面した共用ベンチは、夜は足元が光るとても立派なものでありながら、駅前を行き来する誰もが腰を下ろすことができます。


みんながちょっと数分でも一息つける場所。
開業当初から掲げる「街に訪れる人が憩うコミュニティ形成の場となる“次世代型の新しい商店街”」というコンセプトが、共用のベンチにも込められているのだな、と感じます。