働く女性にインタビュー料理教室「わくわくキッチン」の北川美智子さん

たまプラーザ(神奈川県)を拠点に働く女性のインタビュー記事を、「ロコっちたまプラーザ」に掲載していますが、今回はセンター北で働く女性、北川美智子さんにインタビューさせていただきました。

目次

プロフィール

料理教室「わくわくキッチン」主宰の北川美智子さん
HP: https://wakuwaku-kitchen.info/
ブログ: https://ameblo.jp/wakuwaku-k/

一人目早産、二人目流産、三人目早産した後、四人目の妊娠後からマクロビオティック料理を実践し臨月に安産を体験。また20kgの減量にも成功。リマ・クッキング・スクール師範科修了。自分自身の体験を活かして、2003年よりマクロビオティック料理教室「わくわくキッチン」をスタート。

秋田書店発行、月刊フォア・ミセス連載の「な~んちゃってマクロビオティック」の監修をつとめる。30歳から11歳まで6人の母(2021年6月現在)。食・お産・女性の生き方をテーマにした講演も開催。障害者の母として独自の活動も展開中

インタビュー

マクロビオティックとの出会いを教えてください。

私の最初の子供は早産で予定日よりも100日早く690gで生まれてきました。それが理由なのかわかりませんが知的障害があります。2人目は流産しました。3人目は予定より1ヶ月早い早産でした。私は健康なことが自分の取り柄だと思っていたので、臨月まで妊娠・出産できない自分の体にとても驚き落ち込んでしまいました。

そして、8年後に4回目の妊娠をしました。4回目は何としてでも臨月までお腹の中で育てたいと思いました。でも何をどうすればいいのかわからなかったので、いろいろな人に話を聞いてまわりました。

ですが誰も「わからない、知らない」と言うばかりで途方にくれていたとき、「食を変えてみたら? 今、マクロビオティックの勉強をしているのだけれど良さそうだよ。」と教えてくれた人がいました。それがマクロビオティックとの出会いでした。

料理で臨月まで妊娠してお産ができるのであれば、食べることは子供の頃から好きなことでしたし、食事は毎日のことなので子育てをしながらでもできると思い、やってみることにしました。

マクロビオティックは日本で生まれたものですよね。日本の伝統的な食に、中国の陰陽のバランスを合わせた食事法ですが、玄米と野菜中心で肉や魚を食べない食事を実践していくことについてご家族はどう思われましたか?

もちろんこれまでのことを知っていたし、何より私が必死だったので家族も受け入れてくれました。

その頃の私は子宮口が開きやすかったため、妊娠5ヶ月のときに子宮口が開かなくなる手術をしました。ところが、妊娠6ヶ月を過ぎた頃に子宮口が開いてしまい入院してしまったのです。

それまでも他県にいらっしゃるマクロビオティックの先生に電話や手紙で指導を仰ぎながら食事を作っていましたが、さらに徹底するようになりました。気がつくと自然に子宮口が閉じ、臨月まで無事に迎えることができました。

出産への不安がなくなり、私が理想としていた畳の上で家族に囲まれて出産する夢が叶ったのです。そして20Kg増えていた体重も自然に減って、20Kgの減量もできたのです。食べるもので体は変わることに身をもって体験することができました。

そのような鮮烈な経験があったのですね。それがきっかけで料理教室をはじめようと思ったわけですね。

そうです。私は食を変えたことで、体質が変わり人生までも変わりました。その経験を伝えたくて、マクロビオティック料理教室を始めました。

マクロビオティック料理教室を始めて18年になるそうですね。

はい。ですが、その間に大きな変化もありました。

料理教室を始めて10年くらいはマクロビオティックの素晴らしさを多くの人に知って欲しいと思って伝えてきましたが、10年が過ぎた頃から自分の気持ちに変化を感じるようになりました。

きっかけはいくつかあるのですが、1つは夫から「もっと食べることを楽しみたい」と言われたことです。そう思う夫の気持ちも理解できました。なぜなら、私も友達と外食するときに相手に気を遣わせてしまうことに窮屈さを感じるようになっていたからです。

また同じ頃、子供たちも外で目にする食べ物に興味を持つようになっていました。マクロビオティックの良さは十分理解していましたが、それだけを優先するのではなく、いろいろなものを食べたいと思っている家族の気持ち、そして自分の気持ちも大事にしたいと思いました。

そのようなこともあって、最初は週末だけマクロビオティックを忘れて家族が好きなものや食べたいものを作るようになりました。そして去年のコロナによる自粛期間からは週末だけに拘らないで家族が笑顔で楽しめる食事を作るようになりました。

それは大きな変化ですね。そうすると料理教室で教えるレシピも変わったということですか?

そうですね。マクロビオティックをベースに野菜のおいしさや野菜料理にはたくさんのバリエーションがあることを伝えていく内容に変わりありませんが、安心安全な素材を使うことを前提に時には動物性のものを使ったレシピを取り入れることもあります。

北川さんは仕事のやりがいをどんなときに感じますか?

人に喜んでもらったときです。いつも人を喜ばせたいと思っています。そして、私の料理教室は失敗もOKで、どんな人でも受け入れる場所にしています。そこでみんながにこにこ笑顔で料理を作っている様子をみるととても嬉しいです。

このお仕事を始めて3年ほど休んでいた時期(2017~19年)があったと聞きましたが、それはレシピが変わったことに関係があったのですか?

そういうわけではありません。私の料理教室に参加される方は専業主婦の人が多かったのですが、育児休業中のママが中心になってきました。

彼女たちは職場復帰のため3月か4月になると辞めて、また新しい育児休業中のママが参加してくるというように参加する人たちが変化してきました。一方で料理教室を始めて13年になろうとしていました。

私の中では全てをやり切った思いがあり、新しいことに挑戦したい気持ちがわきあがってきた頃で、これからのことを考える時間が欲しくなったのです。休んでいた時は、いろいろなことを考え勉強をしてきました。そして私が出した結論の1つが、会社を設立してドレッシングを商品化することでした。

どうしてドレッシングなのですか?

ドレッシングはいろいろな材料から作られています。私の最初の子供には障がいがあります。世の中にはいろいろな人がいて、その中には障がいを持っている人もいます。それは1つの個性(=いろいろな材料)という思いがあります。そして、ドレッシングはいろいろな使い方ができます。ドレッシング1つで家庭料理の幅が広がります。ドレッシングで家庭料理を楽しんで、家族と一緒に食卓宅を囲むきっかけになるといいなと思いました。

発売が楽しみですね。詳細をこっそり教えていただきましたが、とても興味深いドレッシングでぜひ使ってみたいと思いました!

ありがとうございます。ドレッシングはレシピもできているのですが、商品化については見送ることにしました。

最初の緊急事態宣言が出たときに時間ができたことで、考える時間がたくさんできました。ドレッシングの製造販売を目指して動いていましたが、これまでの経緯や今後のことをもう一度立ち止まってじっくりと考えた結果、今はそのタイミングではないという結論にいきついたのです。

これからの活動を教えてください。

私はこれまで長い間一人でやってきました。そして、もっともっと頑張らないといけないといつも自分を追い込んできました。でもそれは自分にストレスを溜めているだけだということに気づきました。

それからはあれもこれもしようとするのではなく、目の前にあることに集中してすることにしました。最初はどうなるのか想像もできませんでしたが、やってみてわかったことは(やり方は変えましたが)、結局は自分のやりたかったことをやれているということでした。しかも自然体で楽しくやれているということは大きな発見でした。

そして、声をかけていただいた木風心風堂(横浜市都筑区:こふうしんぷうどう)の事務局で企画にも携わっています。この仕事は私にとって新しいステージへの挑戦にもなっています。

周りの人と一緒に仕事をすることで一人の時とは違う達成感の大きさを感じるようにもなりました。木風心風堂での経験は私の見える景色や手にするものが変わると感じています。今からそれがとても楽しみです。料理教室もこれまで通り続けていく予定です。

これから起業、副業・複業を始めようと思っている人たちにアドバイスをお願いします。

家族と周りから応援されることをしてください。家族と自分の周りにいる人を大事にしてください。必ず自分の力になり原動力になります。

北川さん、今日はたくさんお話を聞かせていただきありがとうございました。最後に3つの質問にお答えください。

【質問1 今北川さんが好きなこととその理由を教えてください。】

好きなことは、キラキラ輝くスターが登場するミュージカルを観ることです。架空の世界にどっぷりつかって日常を忘れて楽しみたいです。

【質問2 今やってみたいこととその理由を教えてください。】

一人旅です。全て自分で決められる旅で、日常から離れた開放感を感じたいです。

【質問3 これからどんな社会にもしくは地域になるといいなと思いますか?】

誰もが人生の主人公として生きていくことができる社会になるといいなと思っています。障がいをもっていても、誰がいても当たり前の社会です。障がいを持つ子の母としていつもそのことを願っています。

キャリアコンサルタント藤戸寛子のつぶやき

取材中ずっとニコニコ笑顔の絶えることのなかった北川さんでしたが、6人の子育てをしながら一人で18年も料理教室を続けることは並大抵のことではなかったと思います。

自ら体験した大きな感動を伝えたい気持ちはもちろんですが、会社員として働いた経験がないことや、専業主婦だったことへのコンプレックスも原動力の1つのように感じました。その思いがあったからこそ、どんな人でも参加できる居場所を作り続けてきたのではないかと思います。

レシピを変えたことへの不安はないか聞いたところ、「何を食べてどうすれば体が良くなるのかを知っているので家族はみんな元気であること。そして、何より家族が喜んで食べていることがとても嬉しい。」と笑顔で即答されました。

北川さんが大事にしている「家族が仲良く元気で笑顔でいる」ことが続けてこられた理由の1つでもあることをあらためて感じ取れた瞬間でした。長い間一人で企画運営してきた料理教室(アシスタントは二人)に、仲間と一緒にイベント等の企画運営をする仕事が加わり新たなステージに進んだ北川さんが、これからどのように活躍をしていくのか興味津々でもあります。

笑顔はビジネスの基本です。笑顔の人とむっつりしている人のどちらの人と一緒に仕事をしたいか、サービスを受けたいかというと笑顔の人からだと思います。また、笑顔は免疫力を上げるとも言われています。健康あっての仕事、そして人生です。笑顔はビジネスにも自分にも大事なものです。

そのほかのインタビュー記事

ロコっちたまプラーザに掲載したインタビュー記事です。

たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー①大和田瞳さん

  • 【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー①大和田瞳さん|横浜市青葉区-ロコっち

    【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー①大和田瞳さん|横浜市青葉区-ロコっち

    ロコっちは、あなたのジモト体験を豊かにする情報サイトです。街のあらゆる情報を収集し、日々更新しています。早速ジモト情報を探してみよう!

    • たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー②カメラマン浅妻尚美さん

    • 【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー②カメラマン浅妻尚美さん|横浜市青葉区-ロコっち

      【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー②カメラマン浅妻尚美さん|横浜市青葉区-ロコっち

      たまプラーザ(神奈川県)を拠点に働く女性のインタビュー記事、第2弾です。彼女たちが、いろいろな立場や環境のなかでいかにしてチャンスをつかみ、キャリアを築いてきたのか。副業や複業、起業を考えている人、進

      • たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー③フォーチュン手相観 dipre micoさん

      • 【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー③フォーチュン手相観 dipre micoさん|横浜市青葉区-ロコっち

        【たまプラーザ】たまプラーザを拠点に働く女性にインタビュー③フォーチュン手相観 dipre micoさん|横浜市青葉区-ロコっち

        たまプラーザ(神奈川県)を拠点に働く女性のインタビュー記事、第3弾です。彼女たちが、いろいろな立場や環境のなかで、いかにしてチャンスをつかみ、キャリアを築いてきたのか。副業や複業、起業を考えている人、