横浜市西区高島に拠点を置き、最近青葉区でも活動を始めた「株式会社はたらく幸せ研究所」。代表の濱田さん・チームリーダーの武藤さんのお二人は、看護師であり、キャリアコンサルタントのご経験を持ちながら、新たなミッションに向けて動き出しています。
目次
「はたらく幸せ」
「はたらく幸せ」とは何なのか。どのような価値やサービスを提供していく予定なのか、お二人の熱い想いを詳しくお聴きしました。
Q.濱田さんと武藤さんは、お二人とも看護師とキャリアコンサルタントというキャリアをお持ちですね。医療現場にいると様々な社会問題に触れ、どうしても医療だけでは足りない部分も見えてくるからこそ、そこを補いたいという想いで起業を志す方も多いかと思いますが、いかがですか?
A.そうですね。日本はとても恵まれていて、様々な保険制度や公費で満足のいく医療や介護を受けられると信じている人も多くいます。
しかし、いざ実際にそれらを受ける状況に直面した時に、公費でできる範囲には限界があり、信じていたケアとのギャップに戸惑う人がたくさんいます。そしてその事実を、世間では事前に誰も教えてくれません。
看護師は医療や介護の事を専門に学んだプロフェッショナルであり、医療のできる事とできない事を知り、その視点からの具体的な知見持った上でのアドバイスなどもできると思っています。
「はたらく幸せ研究所」
「はたらく幸せ研究所」は看護師の専門性をもっと知って欲しいし、病院以外でも活用してほしいという想いから始まっています。
今では、医師や看護師ではないキャリアコンサルタントとも協働しながら、人が幸せに働くこと、働くことによって得られる幸せも含め、社会的な健康を実現させていくことを考えています。
Q.では「はたらく幸せ研究所」が発足した具体的な経緯について教えてください。
A.開設は2018年ですが、2006年からNPOで、看護職のキャリアサポートをしてきました。
その中で、高齢化社会の中での看護師としてのセカンドキャリアや、定年後にどう社会に関わっていくかなどの課題に対して、具体的に話し合う場として、「フリージア・ナースの会」を立ち上げました。
そこで、まだ対象年齢からはだいぶ若いのに、参加してくれた武藤さんと出会いました。そのとき、武藤さんは病院の看護師の管理職(看護部長)をしていて、現場の方が合流してくれたことがとても心強かったです。
武藤さんも、ご自身が定年を迎える前に、キャリアチェンジや次の働き方について考えていて、お互いの課題意識や、社会に対してでき得る事などを共有する中で、「こんなことができたらいいね!」という気持ちが意気投合し、準備期間を経て「はたらく幸せ研究所」を立ち上げることになりました。
Q.ホームページを拝見すると、看護師を対象にと言うより、もっと広い範囲に向けてサービス提供をしているようですね。
A.そうですね、看護師への支援は引き続きNPOで行っていきます。
世間では、看護師は「医者のお手伝いさん」だとか、医者になれないから看護師になるようなイメージや偏見を持たれている事が多々あるのですが、決してそうではなく、独立した専門知識集団なのです。
その事を社会に理解してもらうには、看護師としての専門性を、一般企業の中や個人の方々に向けて活かしていく必要があるわけです。
ですから、「はたらく幸せ研究所」は社会全体に向けて看護師としての価値を提供していきたいと考えています。
また、企業などで働いている人たちが、「この先の人生」をどう生きていくかを考える際に、自身や家族の健康の事をきっかけとしてより深く考えられるような機会なども、看護師の知見を活かして提供していきたいですね。
Q.どのような企業や組織に、サービスを提供していくのですか?
A.設立からこれまでも、知能自治体との協働や医療福祉の連携サ―ビスの支援を進めてきました。現在考えているのは、個別の「人生会議」を支援する活動です。大きな組織というよりは、私たちの価値やご提供できるものに興味を持ってくださる、個人や小規模なグループに対して、個別相談やセミナーなどを開催していけたらと思っています。
そこで、看護師の提供するサービスの価値や必要性を感じ取ってもらえたら、その方の周囲に拡げていってもらえればと考えています。
「あ、看護師さんと話すことで、こんな気づきを得られるんだ!」という体験をしてもらうことで、広い意味で看護師への理解を深めていきたいですし、そのような事例を増やしていきたいですね。
Q.具体的にはどのようなサービスを受けられますか?
A.個人に対して、継続的な不安や悩みのご相談に乗るようなオーダーメイドの対応も可能ですし、オンライン相談などのサービスも検討しています。
先ほどお伝えした「人生会議」は、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです(厚生労働省)。看護師の経験や知識をもしもの時のために、実際の医療チームと話し合う前の段階でなにから考えればよいのかもわからないという方のための支援を進めたいと思っています。
「もしバナカード」ゲーム(後述)を通してのセッション体験や、単発のセミナーなども必要に応じてご提供していきたいですね。
まだまだこれから、どのようなサービスが社会にとって価値があるかを探っているところなので、「こんなことは出来るか」とか、「ちょっと気になる」などがあれば、お気軽に問い合わせていただけたら嬉しいです!
インタビューを終えて
お二人が実現しようとしているのは、単なる「健康アドバイス」や「メンタルケア」ではなく、総合的な「ウェルネス(価値ある健康)」であるそうです。
ホームページにも書かれていますが、「価値のある健康」というのは、「生活習慣(体)」「気持ち(心)」「人間関係(社会)」が相互にバランスよく支え合った上に成り立つもので、どこかが崩れてしまっても、またはどこかだけをケアしても成立しません。
会社組織の中で、働く人々のウェルネスのバランスを、どのように保っていくのかという課題に、看護師の力を活かして是非力添えをしていきたいという想いを強く感じました。
また、医療制度の恵まれた日本にいると、つい自分の体や健康に関して「悪くなったら病院に行けば治してもらえる」との思い込みを持ってしまいがちです。
しかし、医療や治療行為というのは、人生の中での一つの「点」でしかなく、「生きる」という視点からすれば、どのような人生を歩んでいくかは本人が主体的に決めていくことであることは間違いありません。
そして、その事実にきちんと向き合い、悩んだり話し合ったりする場を持つことの大切さを、お二人の想いから改めて感じました。
「もしバナカード」ゲーム
ロコっちレポーターが「もしバナカード」ゲームに挑戦してみました。
「もしバナカード」体験レポートはこちら。
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