新石川公園プレイパーク主催者 高澤佳栄さんに聞く

毎週水曜日に行われている「新石川公園プレイパーク」。その主催者である青葉区冒険遊び場づくりの会代表の高澤 佳栄(たかさわ よしえ)さんにお話を伺いました。

プレイパークとは何ですか?

公園や緑地等の野外での禁止事項を極力なくし、子供達が自分の責任で、思いっきり遊べることをコンセプトにした活動です。横浜市内の約20ヶ所でおこなわれており、青葉区ではこの新石川公園のほか、あざみ野西公園、しらとり台公園の3か所で開催されています。地域のボランティア団体が運営し、プレイリーダーがそれを手伝います。プレイリーダーとは子どもを見守ったり、遊びをリードするのが仕事で、横浜市では市の予算で雇用されている人達です。新石川公園では、毎週水曜日10時から17時まで開催していて、保育園児、幼稚園帰りの親子、小学生が入れ替わりで遊びに来てくれます。


開催時はいつもこの旗が掲げられている

いつからこの新石川公園プレイパークをやっているのですか?

10年ほど前からです。プレイパークをできないかなと考えて動き始めたのはもっと前で、子どもが小2(双子)、3歳、0歳の時です。双子を産んだ当時は、幼児が顔見知りのお兄さんに殺される事件があったり、昔と比べると車も多かったりで、子どもが1人で気軽に公園に遊びに行ける時代ではなくなってきているのを感じていました。いつまで子どもを連れて公園に行かなければならないのだろう、誰か信頼できる大人が交代でいればいいのに、と思っていたのが出発点です。そういう活動をやっている人がいたら手伝わせてもらおうと思って、活動団体を探しました。自主保育のつながりからいろいろな人に出会い、発展して、最終的に横浜にプレイパークを創ろうネットワーク(YPC)と関わるようになりました。

自主保育というのは何ですか?

幼稚園や保育園に行かず、母親たちが協力しながら子どもを預けあって面倒を見る取り組みです。上の双子の2人は近くの幼稚園に通っていたのですが、保育料に内容が見合っていないように感じていました。情操教育の面などで、もっといろんな経験を子どもにさせたいという思いがあったのですね。以前は川崎市宮前区に住んでいたので、そこの自主保育の仲間にいれてもらいました。当時自分が6組目で、子どもは全部で8~10人。公園で遊ぶだけではなくて、世田谷に行ったり、江の島に行ったり、他のグループと合同で面白競技を取り入れた運動会をやったり、とても自由で充実した時間を過ごしました。


ハンモックやブランコなどのロープ遊具も、プレイパークの魅力の一つ

それがプレイパークにつながっていったのですね。

自主保育の時にも感じたことですが、プレイパークみたいなところで遊べるようにすれば、自分の子どもが一人っ子であっても、ああいう風に小学生、中学生になっていく、という見通しがつく。それは子育てをする上でとても重要なことだと思いました。鷺沼の有馬ふるさと公園にはロープ遊具を出したり、焚火をやったりするプレイパークの活動があったのですが、青葉区に引っ越してきたらそういう場がなかったのですね。その頃、神奈川区や港北区などでプレイパークを始めていた団体がつながってYPCが設立、新規立ち上げに協力してもらえるという話がありました。それもあって、最初は手伝いをする場所を探していたはずが、「高澤がやるべき」という空気になり、流れで始めることになりました。当時上の子が小5だったので、子供たちの小学校区でやりたいと思い、まずは月1回、新石川公園でプレイパークを開催することにしました。

お子さんが4人もいて負担ではなかったですか?

当時は保育のプロでもなく、外遊びに詳しかったわけでもなかったので、とにかくじたばたしていました(笑)ただ、自主保育をしている時から、外に遊び行くというのは非常に大切なことだし、飽きないし、そしてお金もかからない、いいことづくめ!と思っていたので、自分の子どものためにもなんとか場を作りたかったです。


プレイパークの遊びは季節感満載。ただの落ち葉も遊び道具に!

次第に協力者が増えていって現在の形になったのですか?

協力者はコンスタントに増えたわけではありません。常連さんの中から協力してくれる方はいるのですが、核となるメンバーがなかなか増えませんでした。変化点はもともと参加者だったSさんが世話人になってくれたことでした。必ず来てくれて、今何が必要なのか、これから何をするべきなのか、を自分と同じ目線で考えてくれる人が現れたことで、活動が楽しくなり、気持ちがとても楽になりました。Sさんは、子どもがしようがしまいが自分がやりたい遊びをやる!という気持ちでここにいてくれます。子どものためだけではなく、大人も楽しく過ごす、そのことがとても新鮮でした。彼女が一番興味のあったベーゴマで場が盛り上がり、他の場との交流も増えました。彼女の加入により、毎週開催にしようという決心もつきました。

毎週開催は大変ですよね。

実は、月1回の方が大変だったのです。たまの機会なので、焚火もロープ遊びもやる、雨でもやる、と盛りだくさんになってしまって。それに、もし雨で中止になると次まで2か月あく。そうすると、せっかく知り合った親子同士も2ヶ月あくと親密にならない。プレイパークで仲良くなって他の所にも一緒に遊びに行く、自主保育をやる人も現れる、という流れを作りたかったのですが、それができていなかったのですね。毎週開催することで、1回1回を小さくできるようになり、楽になりました。また、特別なことをやるよりも、誰か必ずいることが大事だということにも気づきました。人がいれば、軒下でトランプをやっているだけでもいい。
自分も含め、世話人にもそれぞれ事情があるので、いつ急に開催できなくなるかわからない。だから1回1回を大事にしようと思っています。


昨年保育士の資格のとり、現在は常勤で、保育園で働いているという高澤さん。この日は常連の小学生のためにお祝いを。