2018年10月、東急百貨店隣にオープンした地域利便施設CO-NIWAたまプラーザ。そこにオープンした3つの飲食店のうちの一つが、株式会社代官山ワークスが運営するマルシェ併設のレストラン、MARU FOOD(マルフード)です。第9回たまプラーザちょい呑みフェスティバルにも初参加します。お店のコンセプトとちょい呑みフェスでの出店内容を中心に、マネジャーの田中僚さんにお話を伺いました。
目次
CO-NIWAたまプラーザに出店することになった経緯を教えてください
運営会社の代官山ワークスは、もともと首都圏でファーマーズマーケットを企画・運営する会社です。
社長の丸山 孝明は、大分県の米農家出身ですが、お父さんが農家を継がせない方向だったこともあり、新卒からしばらくは東京でサラリーマンをやっていました。しかし、時代とともに農家の状況が厳しくなる中、もっと農業に寄与したいという思いが強くなっていきました。
最初は、青山のファーマーズマーケットなどで出店者として、活動していましたが、2013年9月から勝どきの月島第二児童公園で「太陽のマルシェ」の企画・運営をするようになりました。
このあたりは、近年タワーマンションが多く建設されているエリアなのですが、行政やディベロッパーが公園をもっと人が交流する場所にしたいというビジョンを持っていました。そこで、丸山が農家を集めてマルシェをすることを提案したのです。
太陽のマルシェはいまでも続いているのですか?
現在も毎月開催しており、6年目になります。
それを基盤に馬車道の横浜北仲マルシェや、隅田川川沿いのグリーンマーケット墨田を始め、各地でマルシェを開催しています。
今回は、東急電鉄さんから、ドレッセWISEたまプラーザでもマルシェをやりたい、地域の食を豊かにしたいというお話をいただいたのがきっかけで、MARUFOODをオープンすることになりました。
それでは、MARUFOODは初めての常設店舗というわけですか?
そうです!それだけではなく、今まではマルシェという場を作り、出店をしていただく立場だったので、物販や飲食といったサービスを自社でお客様に提供するのも初めてなんです。
農家は一般的な農協ルート以外の売り先があまりなくて、丸山は売り場をもっと作れないか?という相談を常々受けていました。しかし、物を売るだけの環境だと、お客様に素材の良さを伝えるのが難しいので、レストランを併設してその場で食べることで知ってもらえれば、と。ですので、今回の店舗は、会社としてぜひやっていきたいことでもあったのです。
マルシェの商品は、レストランでも使われているのですか?
リンクしているものも多くて、お客様には、「このリゾットにはあのカリフラワーが使われているんですよ」という具合に直接お伝えしています。
マルシェに出ている調味料も使っているので、もっとそういったことを店内のボードなどで伝えていきたいですね。
マルシェの商品で、特におすすめなものはありますか?
入口近くにおいてあるピクルスは、ドレミファームという農家さんが手がけていて、なんと150種類もあるんです。代官山ワークスは「農業をかっこよく」がテーマなので、コンセプトにぴったりの商品ですね。
金沢文庫で栽培しているきくらげはとても人気です。また、群馬の会社が作っている焼きたての風味が味わえる冷凍パンPan&(パンド)や、ビーツたっぷりのRED FARMのグラノーラもおすすめです。
ランチは日替わりなのですか?
そうです。常時肉料理、鮮魚のリゾット、カレー、サラダボウルの4種類を用意していて、基本的には国産材料を使っています。
特におすすめなのはリゾットで、お米は、押麦を35%、日本とイタリアのお米をミックスしたなごみリゾット米を65%の割合で混ぜて、絶妙な食感に仕上げています。
シェフは、恵比寿や自由が丘でフレンチレストランを経営していた経験もあります。将来は地元の岡山県で食育に携わりたいという思いを持っていて、その下地づくりとして、農家とのつながりを作ったりするためにMARUFOODに参画しました。
取材日のランチメニューだっためかじきと横浜産カリフラワーのクリームなごみリゾット
(神奈川県内で唯一!十日市場の佐藤農園が栽培する希少なリゾット米を使用)
ディナーはアラカルトですか?
そうです。フレンチというよりはお野菜をしっかり食べていただくのをコンセプトに、和のテイストを加えたものが中心です。マルシェで野菜を仕入れているので、新鮮なお野菜を安く提供できます。
お酒もまだ少量ですが、日本酒、ワイン、サングリアなどを揃えています。お酒はメニューに載っていないものもたくさんあるので、いろいろご相談いただければと思います。
ランチは予約不可なのですが、ディナーは予約可能です。
ちょい呑みメニューについて教えてください
フードは2種類です。1つは金時豚、すだち鶏、フォアグラ等を使った肉前菜の盛合せに横浜キャベツのコールスローを添えたもので、これは完全に赤字です(笑)相当満足していただけると思います。
もう1つはデザートで、種子島の安納芋を使った特製スイートポテトブリュレです。有名パティスリーで長年活躍し、海外店の立ち上げも経験したシェフパティシェ渾身のデザートです。
また、この日はSake Baseというイケメン2人による「旅する酒屋」が店先で角打ち(酒屋の店内において、その酒屋で買った酒を飲むこと)を行います。ちょい呑みに参加できなくても、ふらっと寄っていただけると嬉しいですね。
田中さんが太鼓判を押すちょい呑みメニュー、肉前菜の盛合せ(写真は数人前)
今後の展開について教えてください
レストランのメニューやマルシェの商品は、需要を見ながら入れ替えていきたいと考えています。内装もまだ変わっていきますし、お客様から要望の多いお惣菜やお弁当、お皿などの日用品の提供もしていきたいと思っています。ぜひ今後の展開にご期待ください。