【閉店】たまプラーザのドッグカフェ「park side cafe Retrieve」

美しが丘公園のはす向かいにある2016年9月にオープンしたドッグカフェ「park side cafe Retrieve」。たまプラーザの犬のコンシェルジュ 戸北美香が、このカフェのオーナーであり、シェフでもある高橋正人さんにお話しを伺いました。

ドッグカフェをしようと思ったきっかけは?

カフェをオープンする前は、ずっと大企業に勤めていており、飼っていたラブラドール2匹と共に10回ほど転勤を経験していたのですが、なかなか大変で、そろそろ腰を据えたいと思っていました。そこで、何をやろうか考えたときに、犬はもちろん料理も好きなので、犬と一緒に楽しめるカフェをやってみようと思いました。


場所は美しが丘公園のはす向かい。まさに「パークサイドカフェ」

カフェのコンセプトを教えてください

カフェのオープン前には、パリやバルセロナといろいろな都市を視察してまわりました。そこで印象的だったのは、ペットと人が制限なく普通に一緒に過ごしている光景です。一番びっくりした事が「タクシーから普通に犬も一緒に出てきたこと」。日本では、あり得ないですよね!海外では犬もカフェに一緒に入るのが普通で「ペットOK」という表示はなく、たまに「ペットNG」の高級レストランがたまにあるぐらいなんです。日本とは全く違いますよね!

そこで、海外と同じように「誰もが(犬も含めた)家族と一緒に過ごせる場」を提供しようと思いました。しかし、たまに「犬はいないのですが、人間だけでも利用できますか?」と聞かれる事もあるのです。日本では、犬も一緒に入れるカフェは「ドッグカフェ」というカテゴリに入れられてしまい、愛犬家のためのカフェになりがちです。だから、僕は自分で「ドッグカフェ」と言ったことはありません。


取材日、お店を訪れていたワンちゃん。飼い主と一緒にくつろいでいた。

お客様はどういう方が多いですか?

常連の犬連のお客様はやはり多いですね。また、犬連れの方は、八王子や大宮などの遠方からもいらっしゃいます。「用事のついでかな?」と聞いてみると「ここに来るだけの目的で来ました」という方も。ドッグカフェ巡りを趣味にしている方は多いみたいですね。あとは、同犬種のオフ会などでも利用されています。
近隣の方は、子連れの方も多いですね。大型ディスプレイもあるので、卒園パーティーなども行われています。


レトリーブの店内。ディスプレイでは通常はディズニーチャンネルが流れている。

犬連れの方向けのサービスはありますか?

人間のお客様と同様に、ワンちゃん用のお水をお出ししています。そして、トリーツ(おやつのようなもの)も無料でご用意していますし、ワンちゃん用のフードの持ち込みもOKです。
また、犬用メニューとして、ケーキやスープなどもご用意しています。一口に犬用と言っても、犬の大きさも様々ですし、基本的には犬の食事は飼い主の責任で与えるもの、という風に考えています。ですので、本当は犬用メニューを作りたくなかったのですがご要望が多かったので提供することにしました。


犬用の食事だけではなく、バースデーケーキまでそろえている

高橋さんは、現在も犬を飼われているのですか?

今はいません。転勤生活を共にしたラブラドールは二匹とも、数年前に看取りました。過去には、犬を育てることに本気で取り組んでいて、ブリーディングや遺伝の病気などの勉強も熱心に勉強し、愛犬が警察犬の大会のチャンピオンになったこともあります。ですので、いざ犬を飼う、となるとブリーダー探しから本気でやらないといけないと考えていて、非常にパワーがいるんですね。飼いたい気持ちはあるのですが、犬が老犬になった時の自分の体力なども考えて、二の足を踏んでいます。


お店作りにも料理にもこだわりを持っているオーナーの高橋正人さん。

ここ最近すごく料理のメニューが増えたように思います。料理へのこだわりはありますか?

メニューを増やすのって難しくないんですよ。すべての料理は組み合わせですし、それぞれに特有の材料を用意しているわけではないので。重要なのは「何を作るか?」ではなく、「何をどう提供するか?」ですね。廃棄を出さず、お客様が喜ぶメニューを素早く提供することを意識しています。
また、3ヶ月ごとに季節のメニューを出しています。メニュー考案のために同じ種類のソースだけを20~30種類試すこともありますが、結局既製品よりも手作りの方がいい、ということに落ち着きますね。




上から春メニューの「小海老とアボカドの自家製ジェノベーゼ」「しらすと菜の花の和風バターパスタ」「アスパラベーコンのペペロンチーノ」

インタビューを終えて

以前、私もこの「レトリーブ」で犬のワークショップをさせていただいた事がありました。
その時は「犬が優先のカフェ」だと思っていたのですが、今回のインタビューで高橋さんの思いはもっと深く、地域にも貢献されているカフェなのだと感じました。

飼い主からすると、特に犬と一緒に食事に行くところが限られていつも人目を気にするような肩身の狭い思いをされる方も少なくはないと思います。私もドッグカフェを利用しますが、たまプラーザにはテラスはOKでも、中はNGのお店が多く、店内で一緒にくつろげるというところは無かったので、何も気にせず入れる場所は愛犬家からすると嬉しい場所ですよね。

それに加えて、お料理も研究熱心で季節ごとに変わるメニューにもお客様を飽きさせない努力あっておいしい!テイクアウトもあるそうなので、これからの季節愛犬と一緒に美しが丘公園のお花見もいいですよね!是非、利用してみてくださいね。