和食と燻製 とりとうま~第9回ちょい呑みフェスティバル初参加店インタビュー 

毎回恒例ちょい呑みフェスティバル初参加店にインタビューするこの企画。今回は美しが丘4丁目で大人の居酒屋「和食と燻製 とりとうま」を営む村松栄一さんにお話を伺いました。

お店はいつオープンしたのですか?

オープンは、2015年2月です。20代の頃、赤坂の料亭で経験を積み、30代は青山や西麻布で、テレビ番組「料理の鉄人」の影響で流行していた和食とフレンチやイタリアンがコラボレーションをしたお店で働いていました。その後、独立して開いたのがこのお店です。

たまプラーザのご出身なのですか?

地元は溝の口なんです。でも、高校はこのあたりだったので、馴染みはあって、30年ぶりに青葉区に来ました。

独立する場所はいろいろ検討したのですが、妻がたまプラーザの南口にある「ピオニー」というサロンでネイリストとして働いている縁もありましたし、自分がやりたい店のイメージには、溝の口よりもたまプラーザのほうが合っていたので、たまプラに決めました。溝の口は、立ち飲みやジョッキが似合う街なのでね(笑)

本当は懐石料理店を、と思っていたのですが、2軒隣にあるたまプラーザで一番古い和食屋「美吉野」と被るので、スタンダードな和食だけではなく、燻製を出して、いろいろなお酒を置く大人の居酒屋にしました。


店長の村松栄一さん。通常はお店を1人で切り盛りしている。

ステーキやポテトサラダなど和食以外も充実していますね。

そうなんです。「とりとうま」なので、100人中99人が鶏肉と馬肉を食べるお店だと思うのですが、常連さんのほとんどはそれ以外のものを食べています(笑)

「とりとうま」は実は干支のことで、私と妻の干支が酉と午、そして2人の息子も酉と午なんです。ひらがなにすることで、気軽なイメージと、(人と)つながっているという意味を持たせました。「とり」は羽ばたく、「うま」は蹴上がるという意味もあって縁起もいいですしね。

実際のメニューは、鶏より魚のほうが多いですね。大分や長崎から珍味を仕入れています。他にも薩摩鶏や熊本の馬を使っているので、よく九州の人?と聞かれます。

燻製ってあまりイメージがないのですが、どんなお料理があるのですか?

そもそも、燻製は保存食で、ほとんどのお店は保存しているものをそのまま出していると思います。しかし、うちは中にはオーダーを頂いてから燻製にかけるものもあって、それはかなり珍しいと思います。ソーセージもそうですし、ポテトフライも揚げたてを燻製にかけています。燻製鶏もも肉は、一度焼いてから燻製にかけると表面はしっとりとして薫香がまとわりつく仕上がりになります。

燻製のチップというと、桜やくるみが有名ですが、7種類のチップを使い分けていて、ものによってブレンドして使用しています。中にはウイスキーオークというウイスキー樽のチップもあります。3~5年もののホワイトと、30年以上の黒樽があって、普通のチップは火にかけないと香らないんですが、こちらは燻す前からウイスキーの香りがしっかりします。

出来立て以外だと、燻製ごま油の塩昆布キャベツや燻製醤油の卵かけごはんが人気メニューです。


燻製用のチップは、お客様も手に取って香りをかぐこともできる

調味料にも燻製があるんですね!

燻製にするとコクが出るんです。

オープン当初は、燻製鶏の親子重というのが看板メニューでした。ご飯の上に、燻製鶏をのせて、白味噌と卵で作った餡をかけるんです。玉子がふわふわで評判良かったのですが、オーダーをいただいてから作るので時間がとにかくかかる。かなりお待たせしてしまうので、裏メニューになっています。


他では食べられない燻製メニューが並ぶ

この記事を見た方は、オーダーしてもいいんですか?

いいですよ!ランチも夜もOKです。

ランチのお客様は奥様方が多いですか?

そうですね。やはり女性が多いです。お店の前の他、第2駐車場もあるので、お車でいらっしゃる方も多いですね。

ランチメニューはコース料理の他、日替わりランチ、鮮魚の刺身丼、本日の御膳とあるのですが、圧倒的に肉、魚、煮物にデザートもついている御膳がお得です。

日替わりでは、マグロカツや唐揚げを出しているのですが、よくタルタルソースを使っています。このタルタルソースは、自家製のビーツ、赤パプリカ、胡瓜、人参のピクルスを刻んだものが入っていて非常に評判がいいです。


ある日の日替わりランチ。唐揚げも脂っこくなく上品な味わい。

夜は、お酒もたくさん並んでいてかなり楽しめそうですね。

お酒のメニューは約100種類あって、日本酒や焼酎だけでなく、ワイン、サワー、カクテル、ウイスキー、テキーラ、ジンなどちょっとしたバーくらいの種類があります。中には激レアの30年ものの焼酎なんかもあったり。

特に日本酒の種類が多くて、最低でも12種類は揃えていて、多い時は25種類ありました。とっくりの半分の量のグラスで出しているので、一度にいろいろな種類を飲み比べられます。定番は一般的に知られている4種類で、それ以外はどんどん入れ替わるので、来るたびに違ったお酒が楽しめます。

たまプラーザのお店の価格設定はかなり高めなのですが、うちは焼酎のロックがなみなみつがれて500円~なので、かなりお得です。日本酒もたまプラでこれ以上安いところはないと思います。


カウンターの前にはずらりとお酒が並ぶ

ちょい呑みフェスティバルのメニューについて教えていただけますか?

まずお料理は①燻製合鴨ロースの炙りスライスと燻製チェダーチーズの盛合せ、②燻製鳥のポテトサラダ葉野菜添え、の2種類から選べます。両方とも当店の人気商品です。特に①は普段は単品で出している商品の組み合わせで、常連のお客様がよくやっている「ゴールデンコンビ」なんです。


特別メニューの燻製合鴨ロースの炙りスライスと燻製チェダーチーズの盛合せ

飲み物は特に注目いただきたいのは3点です。1つはプレミアムモルツ神泡生ビール。特別なサーバーを使って限界まで泡を細かくした生ビールです。これはサントリーの審査に通過したお店でないと使用できないんです。半年前の時点では、たまプラーザでは当店だけでした。

それから、角ハイボールプレミアムタンブラー。20年前にサントリーが素材、へこみ、飲み口の大きさなどを計算し尽くして作った、ハイボールが一番おいしくなるタンブラーで提供します。ずっと冷たさが保たれ、凹凸によって炭酸を逃げず、ちょうど鼻に向けて香りが広がる仕組みになっています。

最後にトマトサワーです。サワーというと、一般的にはグレープフルーツとレモンが有名ですが、当店ではトマトがダントツの人気です。トマトの甘さや風味がしっかりしながら、重くないすっきりした味わいです。

ちょい呑みフェスティバル当日は、いつもより早めの16:00開店です。ご来店をお待ちしています!


人気の角ハイボールプレミアムタンブラー(左)とトマトサワー