福祉事業所のお菓子をSNS販売する「つきあかり」さんの活動

以前、記事でご紹介した「心のつながりカフェ YOKOHAMA NORTH STATION」に、福祉事業所の焼き菓子を納品している「つきあかり」さんの活動が気になりお話を伺ってきました。

どんな活動なの?

複数の福祉事業所からお菓子を仕入れ、SNSで注文を受けてお菓子の詰め合わせセットの販売を行っています。予算に応じて「つきあかり」さんが中身を決めて、基本的に金曜日に仕入れて週末にまとめて発送しているそうです。自宅で作業するときには、娘さんも手伝ってくれるとか。

活動を始めたきっかけ

コロナ禍でバザーやイベントが中止となり、販売機会が減って福祉事業所が困っていることを知ったことがきっかけだそうです。

「私にもなにか、手伝えることがあるかもしれない」と考えたときに、SNSを通じての販売を思いつきました。詰め合わせセットにすることで、生産量がさほどない小さな事業所のお菓子も取扱いが可能となりました。

「自分としては、良いことをしている、という感じじゃなくて、『みんなで協力して、一人でも多くの人が、明日が来ることを嬉しいと思える社会にしたい』という想いで、単純に自分ができることを手伝っているだけなんですね。

私は福祉事業所で作っているようなお菓子は作れません。でも、代わりに売ることは出来ますから。就労支援施設で、バザーや地域のイベントでの販売機会がなくなり、じゃあネットで販売と言ってもなかなかそのノウハウや労力がない中で、私が手伝えるならサポートしていきたいなと、SNSでの販売を思いつきました」(つきあかりさん)

お会いする前は、すごく熱い方なのかなと想像してましたが、実際にお会いしてみたら、いい意味でとても自然体。無理のない範囲で、自分のできることをしていくというのが、楽しく活動できるコツかも知れません。

企業も社会貢献

お客様の多くは一般家庭の方で、SNSを通じてやり取りをされているそうです。普段は他の仕事もしているので、週末にまとめて発送作業をしているとのことですが、週末に取材した際も50セット発送予定とのことでした。

また、個人だけじゃなく企業の購入も増えているそうです。福利厚生の一環で従業員の方の休憩所に置いたり、手土産に利用したりと使い道はさまざまです。

「お菓子が持つあたたかさと、企業のニーズがマッチしているようで、好評です。従業員の方に手に取っていただくことで、今まで接点のなかった福祉事業所のことをお菓子を手に取ってもらうことで自然な形で知っていただき、歩み寄っていただけるのではないかと思います。
秋ごろには個人向けの定期便企画も考えているので、ぜひSNSをチェックしてみてください。10~12月までの3ヶ月間の定期便で、9月に募集予定です」(つきあかりさん)

各事業所のお菓子はパッケージも個性的。詰め合わせセットは「おもちゃ箱みたい」と好評です。

取引のある福祉事業所は16カ所

現在、お取引されている主な事業所を紹介いたします。
取引を始める前には商品を自分で食べて原材料や品質を確認しているとのことで、自信をもっておススメできる商品を厳選して取り扱っておられるようです。お近くの事業所があれば立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。

特定非営利活動法人アスタ荏田 Asuta Eda(横浜市都筑区)
・特定非営利活動法人ごぼうハウス ごぼうハウス都筑(横浜市都筑区)
社会福祉法人横浜愛育会 おおぐち工房第2(横浜市神奈川区)
NPO法人ぷかぷか おかし工房にじいろ(横浜市緑区)
特定非営利法人精神を考える会まいんどくらぶ セサミ香房(横浜市港北区)
NPO法人カプカプ カプカプ竹山(横浜市緑区)
NPO法人カプカプ カプカプ川和(横浜市都筑区)
社会福祉法人同愛会 つづき地域活動ホーム くさぶえ(横浜市都筑区)
特定非営利活動法人耕房 耕房輝(東京都台東区)
社会福祉法人県央福祉会就労サポートセンター エヌ・クラップ(横浜市西区)
特定非営利活動法人ヒールアップハウス 晴れ晴れ(埼玉県川口市)
社会福祉法人ほっとはむ(愛知県名古屋市)
認定特定非営利勝法人ポポイ MO-YA-CO UNIQUE PRODUCT!(愛知県名古屋市)
特定非営利活動法人ひょうたんカフェ ワークセンターひょうたんカフェ(愛知県名古屋市)
認定特定非営利活法人ぱれっと おかし屋ぱれっと(東京都渋谷区)
社会福祉法人かれん(横浜市港北区)

ボランティア団体代表も

遠藤さんは「つきあかり」の活動のほか、「アトピーっ子育児の会」と「atopic」というボランティア団体の代表も務めているそうです。

ご自分の娘さんが生後すぐから重度の皮膚疾患を患い、心身ともに負担の大きな経験を多くしたことから、10年余りアトピー患者と患者家族をサポートする活動を行っています。

「娘の疾患に限らず、病気や障がいのある子どもを育てる親が一人で不安や負担を抱えることがない社会、当人が差別や偏見を受けることなく、いきいきと過ごすことのできる社会にしたいと思いますし、生きづらさを感じる人も多い世の中で、一人でも多くの人が心身穏やかに過ごせるように、自身ができることを行っていきたいと考えています。

様々な困難に直面する世の中ではありますが、そんな時代だからこそ、心のこもった商品は多くの人に元気を与えられるものと思います。

実際に、弊社が販売させていただいたお菓子を召し上がったお客様からは「癒された」「元気がでた」「涙が出た」といった声を頂戴しております。魅力ある商品を全国に届け、作り手受け手双方が笑顔になるお手伝いをしていきたいです」(つきあかりさん)

福祉事業所のお菓子作りを支えよう

お菓子作りには、材料を計ったり、混ぜたり、焼いたり、封入したりとさまざまな工程があるので、障がいがある方でもどこかしら手伝えることがある、という特徴があります。コロナ禍で販売先が減り、菓子作りができなくなってしまうと、せっかく障がい者の方が身に着けた技術を活かす機会が失われてしまいます。

「つきあかり」さんが販売の役割を担うことで、菓子制作を続けることができるようになったので、社会的意義はとても大きいと思います。

通販以外でも、「心のつながりカフェ YOKOHAMA NORTH STATION」で「つきあかり」さんの菓子を購入できるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

基本情報

ブログ:https://ameblo.jp/tsukiakari8989/entry-12687047001.html
公式FB:https://www.facebook.com/tsukiakari8989
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/tsukiakari8989/

※FBや公式インスタグラムのメッセージより注文できます。

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