たまプラーザの”ほっと”する場所「私とポッポ」

移住で知った文化の違い

私は数年前、夫の転勤で関西からたまプラーザ・あざみ野エリアに引っ越してきました。社宅をあてがわれていたため、この土地のことを何一つ知らず、まだ言葉の出ていない幼い子どもを連れて突然住むことになりました。

坂の多く買い物に出るのにも一苦労。言葉も文化も違い、特に食べ物の微妙な違いに苦労しました。売っている魚の種類や、ポン酢の選択肢の少なさには特に難儀した記憶があります。

「ポッポ」との出会い

自分でお好み焼きを作ってみるものの、何となく求めているものと違う、思ったものが作れません。スーパーのお惣菜売り場や冷凍食品でも美味しいものが手に入りますが、やはり焼きたてが食べたい。引っ越してから3ヶ月、私は完全なホームシックになっていました。

そんなとき、子どもと入ったイトーヨーカドー。友だちもいず、長い一日をやり過ごすのに売り場をうろうろしていたら、そこに突然目に入ったのがポッポでした。

こんなところにフードコート??たまプラーザテラスのフードコートに大挙しているような、お友だち同士でキラキラしているママさんたちは一人もいません。メニューを見ると「お好み焼き」「たこ焼き」「ラーメン」と肩の力の抜けた気楽なものが並びます。

お昼時だったのでここでお昼を食べることにしました。もちろん選んだのは「お好み焼き」。関東のお好み焼きだからとあまり期待をしていませんでしたが、一口食べて思わず涙がこぼれました。焼きたてでふわふわ、でもキャベツの甘味もしっかりあって美味しい!そして何より安い

私が食べたかったのはこれでした。

“ほっと”する味と価格に安心できる場所

お好み焼きとポテトと飲み物のセットで660円。ポテトも揚げたてでかなりのボリュームです。この価格でお腹いっぱい、私も子どもも大満足することが出来ました。

それから何度も何度もポッポに行きました。一人でも行きました。窓側の席に座り、街を眺めながらお好み焼きを食べていると、何となく「おつかれさま」と背中をさすってもらっているような気持ちにさえなりました。

あれから何年も経ちました。以前ほどではないにしろ今でも時々行きます。あの時の寂しく辛い日々、それでも何とか踏ん張っていられたのはポッポのお好み焼きのおかげです。