【楽人 No.3】 ほぐし処 リラク「MA」オーナー 林眞樹さん

たまプラーザの街を舞台に、人を巻き込んで楽しんでいる人にインタビューをするたまプラ新聞とロコっちの共同企画「楽人」。3回目は、個人のお店でありながら、年中無休で営業している美しが丘5丁目のリラクゼーションサロン 林眞樹(はやしなおき)さんにお話を伺いました。

お店がオープンしたのはいつですか?

オープンは2016年10月15日で、約1年半経ちました。自分は東京出身なのですが、妻の実家が鷺沼なので、比較的近いこのエリアにお店をオープンすることに。それまでは溝の口など、近隣のお店を転々としていたのですが、自己流でできないことがほとんどで、自分でルールを決めたいと思い、独立しました。


あざみ野とたまプラーザをつなぐ欅並木沿いにある。左のグレーの建物の2階がリラ「MA」。

ずっとリラクゼーションサロンでお仕事をして来たのですか?

社会人のスタートは出版社勤務だったんです。しかし、会社が倒産してしまって、しばらく写真関係の仕事をしていました。そんな時、出版社時代の編集局長にリラクゼーションのお店をやるので一緒にやらないか、と声を掛けられて、オイルマッサージ店の店長になりました。そこは基本的なメニューとしては、オイルマッサージしかなかったんですけど、お客様から結構指圧やストレッチの要望があるんですよね。それで、普段あまり施術はしていなかったし、何の勉強もしていない素人だったんですけど、こっそりお客様に指圧やストレッチをやってみたら、結構喜んでくれて(笑)その流れで、ちゃんと学びたいと思い、学校併設の店舗に転職しました。

なぜ畑違いの職業に転身しようと思ったのですか?

昔から格闘技をやっていて、中2からヘルニアを患っていました。現役時代は完全紹介制の整体師にお世話になっていたのですが、5年くらいで引退。それからも、いろいろなお店に通いましたが、単にマッサージするだけという人が多くて、ピンとくる施術者の方がいなかったんですね。しかし、出版社に勤務していた時にすごい整体師に会ったんです。接客もすごいんですが、ほぐす技が本当にすごい!つらいところを完全に治してくれる方で、60分ですごいすっきりして、痛みが一切なくなるんです。潜在的にその人のようになりたいという気持ちがあったのが、転身の理由だと思います。


緑が落ち着くリラク「MA」の店内。本当はログハウス風にしたかったとか。

整体、マッサージ、整骨院などいろいろな用語がありますが、いまいち違いが、よくわかりません。

まず、「マッサージ」というのは国家資格のあんまマッサージ師がお店に1人以上いるのが条件です。痛みが出るぐらいにもむのが一般的ですね。それから、「接骨」または「整骨院」は骨を整えるのが目的で、マッサージを施すのはNGです。これは保険治療になります。それから「整体」ですが、これは資格はいらなくて、マッサージや、医療行為にはあたらない治療的な技でほぐしていくものです。リラクゼーションマッサージとも言って、痛みがない強さでストレッチなども交えながら、筋肉をゆるめていきます。

普通の人は、家で家族に軽くマッサージをするだけでも疲れてしまうと思うのですが、転職当初は大変ではなかったですか?

そりゃもう大変でした(笑)学校併設と言っても、当時研修生は自分だけだったので、1人で2時間押しっぱなしで、最初は手が握れなくなりました(笑)キャップがまわせないし、鍵があけられないんです!体育会系のお店で、とにかく厳しかった。でも、できないのが悔しくて鍛えられましたね。ハンマーにタオルをまいて指をたたいたり、指立てふせを100回やったり。でも、その昔お世話になった整体師の方への憧れで頑張れました。

その整体師の方はどのようにすごいのですか?

お客さんに説教するんですよ。仕事などのプライベートを聞くようなことはないんですが、食生活のことも含めて、体のことを詳しく聞いて。それで、ダメな生活をしているとはたかれる(笑)施術面では、触ったらこちらが言わなくても何でもわかっちゃうんですよね。当時その方は48歳くらいでしたが、自分もいつかそんな風になれたらと思います。ちなみに、そんな憧れを抱いていたことは伝えてないですね、恥ずかしいんで(笑)


整体に対し、並々ならぬ思いを持つリラク「MA」の体育会系店長 林さん。

現在は、どんな思いでお店を経営されていますか?

とにかく思っているのは、お客様に健康になってほしい、ということですね。今後生活習慣も含めて、どうしていくべきかを2人3脚で考えていけるような、かかりつけのお店になれたらと思っています。お客様からの相談にはできる限り応えたいので、電話相談も受けています。家族の一員のように相談し合えるお店になれたら嬉しいですね。

どのようなお客様が多いですか?

年齢層は30代30%、40~50代50-60%で、最高齢は86歳ですね。側弯症(脊柱が側方へ曲がり、ねじれも加わる病気)の方もいらっしゃいます。そうなると、なかなか施術が難しくなってくるので、文献を読んだり、治療院(整骨院・接骨院など)のメルマガ等を参考にしたりもしながら、その方たちにも効果がある手技を開発しています。例えば、あおむけで股関節が固い人を改善するグラグラ整体。モニターを募ったり、常連さんに許可を取って試したりしています。

働いているのはどんな方ですか?

主婦の方が多いですね。未経験の方もいれば、10年以上の経験者もいます。中には未経験なのに、3ヶ月を想定した研修を3週間でクリアした強者も!サービス業全般に言えることですが、女性の方がモチベーションが高いように思います。しかし、夜入れない方が多いので、男性を募集中です!副業でも可能ですし、いろんな方ができる職業だと思います。


施術にもこだわりがあり、常に新しい技術を開発し続けている。

体操教室も行っているのですよね。

ベッドを全部どけて、週2回行っています。2本足で歩ける人ならどんな方でも参加できます!1回30分で営業前の9:00~9:30にやっているのですが、仕事前に来る方もいますよ。内容はオリジナルです。これまでのスポーツ経験をもとに、体操、ストレッチなどの中で、毎月テーマを変えて選んでいます。愛読書はターザンなので、それも参考にしています(笑)テーマによって来る人は変わりますね。決まった日以外に、追加でやることも可能なので、お気軽に連絡いただきたいです。

すごく精力的ですが、休んでいるのですか?

年中無休なのでほぼ休みはありません(笑)お正月もやっています。ようやく最近、1か月に半休を2日ようになりましたが、それまでは全く休んでいませんでした。妻も同業なので理解があります。ストレス解消は、お酒か運動ですね。お店で筋トレしたりもしてます(笑)

今後の目標や夢はありますか?

リラクゼーションサロンだけのビルを持ちたいですね。1階、2階はほぐし、3階はオイルマッサージ、とか。実はこれは、以前勤務したお店のお客様のビジョンなんですよ。店舗を拡大するよりも、近隣で自分の目の届くところで展開したほうが安心感があっていいな、と思っていて、それならビルごとにするのが一番だと思って(笑)

(写真:たまプラ新聞/長坂断)

取材風景はたまプラ新聞で