センター南駅1階自由通路に設置されているステーションピアノ「Cennan Piano(セン南ピアノ)」
このピアノは、2020年2月2日、コロナ禍が始まる直前に設置されました。
感染拡大の影響を受け使用を中止していた期間もありましたが、2021年10月から利用が再開され、毎日駅の利用者や通行人の耳を楽しませてくれています。
目次
どんなピアノ?誰でも弾けるの?
マホガニーの木目で猫脚の、おしゃれなアップライトピアノです。両サイドに「Cennan Piano」のロゴが刻印されています。
利用ルールを守れる方なら、誰でも自由に弾くことができるピアノです。
通常の利用ルールのほかに、今は感染対策のためのお願いもあります。
ピアノの横にアルコール消毒液が設置されていて、ピアノを弾きたい方が手軽に消毒できるようになっています。
週末は時々演奏待ちの列ができることもありますが、取材に伺った平日の午前中は利用する人も少なく、行けばすぐに弾ける状況でした。
セン南ピアノの音色を聴いてみよう!
せっかくご紹介するなら、素人のわたしが弾くよりも上手な人が弾く方が良いでしょう!
……というわけで、現役音大生・さなちゃん(筆者の娘です)を連れてきて、1曲演奏してもらうことにしました。
ストリートピアノを弾くのは初めて、というさなちゃん。
弾いてみた感想を聞きました。
「普段は静かな部屋で練習して、発表するのはホールの舞台の上なので、こういうザワザワした環境でピアノを弾くのに全然慣れていません。自分の耳に聞こえる音の感じがいつもと違って少し難しかったです」
グリーンラインとブルーラインの線路に挟まれた場所にあり、電車が入線する音が両サイドからガタゴト響いてきます。
確かに、この環境で集中してクラシックの長い曲をじっくり弾くのはちょっと難しかったかもしれません。
それでも、たっぷり見事な演奏を聴かせてくれました。ありがとう。
交流が生まれるひとコマも
演奏を終えて後片付けをしていると、近くで聞いていた女性が「素敵な演奏でしたね」と声をかけてくれました。
そして「わたしも弾いてみます!」とピアノの前に座ったかと思うと、華麗な演奏を披露してくれました。
曲は、松任谷由実の「春よ、来い」。
通行人も足を止めて演奏に聞き入り、曲が終わった後には温かい拍手が響きました。
演奏後、少しお話を伺いました。
「ここにピアノがあるのは以前から知っていましたが、実際に弾いたのは今日が初めてです。先に演奏している方がいたので、よし弾いてみようと思って」
ロコっちの取材で来たことをお伝えし、せっかくなのでお写真を撮らせてくださいとお願いしてみましたが、「いえいえいえ」とご辞退され、その場を後にされました。
またいつか、ピアノの前でお会い出来たらなぁ……と思います。
音楽を通じて、たまたまその場に居合わせた人同士でちょっとした交流ができるのもストリートピアノの魅力ですね。
このピアノは、「地元に住む方々の活動・交流の場となり、文化、芸術など、個性・魅力を創出し、来街者を呼び込む」街作りの一環として設置されたものだそうです。
このピアノの前でその目的がささやかに達成されているのを感じることができました。
コロナ禍が落ち着いて、もっと気兼ねなく人が集まって音楽を楽しめる日が戻ってくることを願っています。
設置情報
場所:神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央1−1
(センター南駅の改札階から、長いエスカレーターを下って1階へ。フィットケアデポ横のスペースです)
時間:10:00~19:00
運営:センター南駅ピアノ運営委員会(事務局:株式会社横浜都市みらい 地域事業部)