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もしバナカードとは
厚生労働省が、「人生会議」という取り組みを後押ししているのをご存知ですか?
もしもの時のために、あなたが望む医療ケアについて前もって考え、繰り返し話し合い共有する取り組みのことで、「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の愛称を「人生会議」と言うそうです。
「もしバナカード」というのは、アメリカの発祥で、現在は10か国語で翻訳されている、「人生会議」に使えるカードです。
人生の最期にどう在りたいかを考え、話し合うためのツールで、 i-ACP という法人が販売しています。(海賊版も存在するとのことですので、公式サイトからの購入をお勧めされていました。)
大切なカードを選んでいく
今回の体験では、武藤さんがファシリテーターを務め、私といっちーを含め、3名の参加者で「もしバナカード」ゲームを行いました。
まず、武藤さんが参加者に5枚ずつカードを配ります。
残りのカードは山にして中央に置き、山から5枚のカードをめくって山の周囲に開きます。
手元に配られた5枚のカードのメッセージを読み、次に場に開かれた5枚のカードメッセージを読みます。
自分にとって大切・重要であると思うカードは手元に残し、場のカードの中でより重要だと思うカードがあれば、手札の中で一番不要なカードと交換します。
それを一人ずつ順々に繰り返していくと、いずれ手札のカードが場に出ているカードよりも重要、という状態になるので、その状態になったら交換せず「パス」をします。
全員がパスしたら、また山から新しいカードを5枚開き、同じ工程を繰り返します。
最終的に、手札には自分が目にした中で、より大切だと思ったカードが5枚残ります。
そうしたら、最後にその中から最も大切だと思う3枚のカードを選び出し、なぜそのカードを選んだのかを、お互いに見せ合いながら発表します。
変化する価値観を再確認する
私の残したカードはこんな感じでした。
自身の価値観ではあるものの、現在の自分の年齢や、心身の状態、ライフステージによって、結果は色々と変化する事も多いそうです。
選び出した理由を口に出して説明したり、質問をされたりすることで、自分にとって重要な価値観を再確認することができます。
また、選ぶのに悩んだり変化したりする「ゆらぎ」を感じ取ったり、相手の価値観を知り互いに共有することも、このカードゲームから得られる貴重な気付きなのです。
一緒に体験したいっちーは、下記の感想を寄せてくれました。
「『死』というテーマで話し合うことは、縁起が悪いという思いがあって、家族間でもなかなかその機会がありませんが、自分が望む最期をむかえるのに家族の協力は不可欠なので、必要なことだと思います。カードを使って、ゲーム感覚で自分の意思表示を周囲にできるのは、分かりやすくて良いと思いました。」
もしバナカードを体験して
日々に追われ、自分が「死」について考える機会を持つ事がなかったので、とても新鮮な自分と向き合う時間でした。
自分が選んだカードは「死ぬときにこうで在りたい状態」であり、それは生きているうちに達成したい事であることに気づきました。つまり、死を考える事は、自分の生き方や、人生のビジョンを見つめ直す行為なのだな、と知りました。
またどうやら私にとって、自分のそういった価値観や想いを理解してくれる人がいる事が重要なようなので、大切な人たちとシェアする機会をちゃんと持っていきたいな、と感じました。
はたらく幸せ研究所では、この「もしバナカード」を使ってのセッションの開催や、更に希望があれば、看護師としての知識を活かした個別面談やサポートの機会も設けてくださるそうです。
個人としてのご参加や、企業での社員講習としての機会としての提供など、幅広くご相談に乗ってくださるとのことですので、ご興味のある方は、是非お問い合わせください。