職業は「農家&DJ 」都筑区平台の野菜直売所「アーツファクトリー」に行ってみた!

  • 投稿日2022.3.7
  • 更新日2022.3.8

横浜市都筑区平台の住宅街の一角にある、野菜直売所「&ARTS FACTORY(アーツファクトリー)」。公式Instagramのプロフィールを覗いてみると、代表・若手農家の村田さんは、農業の傍らDJとしても活動されているのだとか! 村田さんってどんな人やろうか…。まだ寒さが残る2月下旬に、直売所を訪ねました。

DJから本気の農業へ

アーツファクトリー代表の村田敦さんのご実家は、代々専業農家。
20代の頃、家業を継ぐ・継がないの狭間でDJになる夢を諦めきれず、2006年、単身でニューヨークに渡り5年間DJとして修行されました。

帰国した2011年以降の村田さんのライフスタイルは、「週末DJ・平日農家」。週末はイベントやクラブで日本全国を巡り、平日は実家の畑の手伝いをする生活を送っていました。(あくまでも手伝い)
DJとして活躍する一方、その道だけで食べていくことの難しさと、心のどこかで家業を継ぐという気持ちを自覚しはじめた38歳の時、「父が元気なうちに農業を教えてもらいたい」と本格的に農業の道を志します。神奈川県が支援する新規就農アカデミーで2年間農業を学びながら家業にも本腰を入れていきました。

現在は、東方町に点在する計10反もあるご実家の畑を手伝いながら、加えて別の畑5反ほどをお一人で手がけています。

転じて生まれたリヤカー直売所

平台の直売所がオープンしたのは2020年の春。村田さんは元々、野菜をリヤカーに積んで、せせらぎ緑道を売り歩くスタイルを思い描いていました。
しかし第1回の緊急事態宣言により、外出すらも自粛される世の中へ…。売り歩くスタイルは一旦保留になってしまいましたが、野菜を積む予定だったリヤカーは、DIYが得意な奥様の手によって現在の直売所の舞台に生まれ変わったのです。

昔ながらの移動販売マルシェのようで、通りからもパッと目を惹きます。

コロナ禍で以前よりDJ活動は減ってしまったものの、忙しい農業の合間を縫って現在も首都圏でレコードを回しているという村田さん。
「野菜販売もDJも大事なのは、お客さん目線に立つこと。フロアでは、今どんな曲をかけたらみんなが盛り上がるか。野菜の販売も、美味しかったよって言ってくれると励みになるし、評判が良かった野菜を直売所に並べたくなりますね。」と言います。

サービス精神に溢れた村田さんが手がける野菜は、横浜市が名高い生産を誇る小松菜をはじめ、ケール、ラディッシュ、赤軸ホウレンソウ、プチヴェールなど目にも鮮やかなカラフルで珍しいものもたくさん。

野菜は、東方町のJA直売所「メルカートきた店」、泉区の「メルカートみなみ」、ららぽーと横浜のイトーヨーカドーに内にあるJA地産ブースにて「村田敦」出品者名義で販売されている他、毎月第四土曜に開催される区役所の朝市やIKEAの朝市で販売しています。
※感染拡大防止のため、朝市の開催は中止になることもなります。


色とりどりの野菜、フリルのような形状の野菜、まるでアートのよう!アーツファクトリーの由来ってそこなのでは?!と尋ねてみると
「アーツというのはDJ名なんです。自分の名前あつしから由来して。でも、そう思ってもらえて嬉しい」とはにかんだ笑顔が印象的でした。

畑の一部には小学生が植えた野菜も

今回、特別に別の畑に案内していただきました。平台の直売所からほんの少し移動すると、見晴らしのいい畑が広がっています。

お日さまの光がさんさんとふり注ぐこちらの場所に栽培されているのは、ほうれん草、ルッコラ、小松菜など。

畑の土は、極力、化学肥料や除草剤を使わずに、鶏糞やコーヒーかすなどを発酵させて作られています。窒素入りの化学肥料の代用としてコーヒーかすが一役買ってくれるのだそう。

肥料に使われているコーヒーかすは、朝市の場を提供してくれるIKEA港北からいただいたもの。廃棄物から肥料へ、そして朝市へと良き循環が生まれているのですね。

先日は、茅ヶ崎台小学校の5年生が、授業の一環でこちらにラデッシュを植えたそうです。

ラデッシュは無事に育っているようで、収穫待ち。
その後、再び小学生が賑やかに収穫体験に来られたことでしょう。

子どもたちが地元の野菜について、食べること・育てること、想いを巡らせてくれたら嬉しいですね。

若い力で新しいことに挑戦

まだ市場では珍しい西洋野菜を手に取って「新しもん好きなので」と自称する村田さん。単に野菜を育て販売するだけでなく、さまざまな新しい企画に挑戦されています。

地域のひとり親支援団体・NPO法人などを支援する企画や、畑で芋煮会を開いてお客さんを招く企画も密かに考えているそう。

また、去年の1月には、アーツファクトリーの白菜と大根を原材料に、富士山麓にあるキムチ専門店から「田家たむらのキムチ」が商品化されました。NY時代に知り合った友人が手がけるキムチ専門店と、コラボレーションが実現したのだそうです!

田家たむらのキムチ 350g  630円(税込み)

「田家たむらのキムチ」は、「メルカートきた」、「ハマっ子直売所 たまプラーザ店」で期間限定発売中です。

こちらのキムチ、我が家でもいただきました。「高級焼き肉店で出てくるキムチの味だ!」と家族が大絶賛。気が付くと白飯がなくなるので白飯ドロボウと呼ばせていただきます。

白菜の収穫時期が終わりに近づくと、キムチの製造も終了になるそうなので、見つけたら即買いの一品です。

農業を面白く新しく。目線を変えて新しい事に果敢に挑戦する村田さんを応援したいです!

 

&ARTS FACTORY 直売所

住所:横浜市都筑区平台2-8
営業時間:月曜日・金曜日の7:30〜なくなり次第終了
公式Instagramはこちら

 

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