たくさんの家族の思い出を一冊に ~ こころBOOK

昔撮影した紙の古い写真、SDカードに入りっぱなしのデジカメで撮った写真、スマホの中にある大量の写真。いつかは整理したいと思っていても、量が多すぎてどうしたらいいかわからないという方も多いですよね。そんな方のお手伝いをしているのが、写真整理の専門家 こころBOOKの西村友美(にしむらともみ)さんです。

はじめに、どのようなサービスか教えてください。

お宅に写真整理の専門家が伺い、膨大なアルバムや写真を一緒に整理します。

お客様のご希望に応じて、必要な写真をデータ化したり、大事な写真をまとめた「家族写真集」を制作したり、時には写真の処分を承ることもあります。

「家族写真集」は、大事な方への贈り物として、ご好評いただいています。

家族写真集とは、なんですか?

人生をまとめた写真集です。

生誕・幼少期・学生時代・成人・結婚・育児期・会社・子供の結婚・孫誕生・・・ファミリーヒストリーのように、「家族写真集」を見れば、その方の尊い人生がわかるようになっています。

好きなもの・大事にしてきたもの・習い事・一緒に時を過ごした人や動物など、お客様の人となりがわかる写真を選んで載せています。また、写真に付随する情報(日時・人物名など)だけではなく、その写真に関わるエピソードや想いもコメントとして載せることが出来るのが「家族写真集」の大きな特徴です。

この「家族写真集」ですが、幅広い年代の方にご利用頂いています。

・20歳のお祝いに息子様へ
・金婚式のお祝いにご両親へ
・最後のプレゼントとして亡くなられたご主人へ
・先祖代々伝わる写真をご親族の方々へ

ご希望の方には、家系図や年表も載せています。

忘れられないエピソードはありますか?

お父様がご病気で亡くなられ、お葬式での飾り花を頼むよりも、「お父様の生きてきた証をまとめたい」ということで、家族写真集のご依頼がありました。

闘病はご家族にとっては気の張りつめる毎日でしたが、大事なお父様を急に亡くされたお母様を想って、お嬢様がお母様のそばに「お父さんの写真をいつでも見られるように」と思われたそうです。

お父様のかわいらしい幼少期のお写真を見ながら親戚の方の名前を思い出してみたり、学生時代から仲良くしているお友達の方との長い付き合いに感謝したり、お嬢様を肩車していろいろなところに連れ出してくれたことを思い出したり、大好きな釣りに朝早くから出かけていた昔を振り返ったり。

写真を見て、いろいろな思いと向き合いながらも、「闘病記は本当につらかったけど、お父さんの人生は彩り豊かな人生だったと思えるようになりました」と仰っていただけました。
お父様の人生を、お母様とお嬢様で充分に話しながら時を過ごされたそうです。心の整理に少しでもなれたのではないかと思うと、ぜひ多くの方に家族写真集の存在を知っていただき、グリーフケアとしておすすめしたいことだと強く感じました。

写真整理のコツなどありますか?

みなさま、昔からお宅に置いてあるアルバム、何冊あるか数えてみたことありますか?

誰の写真で、いつの写真か、こたえることが出来ますか?

わからない、と答える方がほとんどです。

意味があって引き継がれてきたであろう古い白黒写真はもちろん、自分にとっての思い出の写真も、なかなか気軽に整理することは難しいのが現状です。結局そのまま押し入れの奥に保管され、場所を取りながらも日の目を見ることはほとんどありません。

実は生前整理・遺品整理の中で、一番の困りごととして挙がっているのが、この「思い出写真の整理」なんです。雑然とたくさんの写真があって困るのはご家族です。

大事な思い出写真は、活かされることもなく、遺品整理として困るものとして扱われるのではもったいないと思います。「思い出写真は、ご家族の財産」として扱っていくことが出来るように、整理していただければと思います。

そこで、ご家族が困らないように「思い出写真の整理のポイント」を簡単にご紹介します。

①ご家族が困ることのないように、自分にとって大事な写真をまとめておきましょう
ご本人にとって・家族にとって、大事な写真をまとめておきましょう。
写真は断捨離のように捨ててしまうのではなく、老後の楽しみとして取っておくことをお薦めします。

若いころの写真を見返すことは、脳の活性化を促し、認知症予防・認知症抑制に効果があることは「回想法」といって、医学的にも実証されています。まとめておいた写真以外は、いざという時に処分してもいいものだということを、ご家族に引き継いでおきましょう。

②大事な写真は、データ化しておくことをお薦めします。
ただ、すべての写真をデータ化するには、料金もかかります。そして、データ化するということは「保管」に適していますが、見返すことにはなかなかつながりません。

ご家族にとって、ご自身にとって大事な写真を選別していただき、必要な枚数だけデータ化されることをお薦めします。

③見返すことができるように「家族写真集」に写真をまとめましょう。
まとめた家族写真集は、ご家族や関わる人々にお見せして、いろいろなお話をして時間を過ごしてください。

人の歴史・家族の歴史は、ご家族にとっても、血が繋がっていない方にとっても興味深いものです。生きてきた人生を知ってもらうことは、相手に親近感を感じていただけることにもつながります。介護や老後に備え、元気なうちにまとめておくことをお薦めします。

また、写真整理は、長い年月を振り返る節目の時間にもなります。人生の節目のいい機会にしましょう。

なぜ、写真整理を仕事にしようと思ったのですか?

その方の人生をサポートできる仕事だからです。

私がお手伝いしなければ、その方しか持ち得ていない家族の大事な情報や想いが流れて消え去ってしまうと思ったからです。

私自身、2人の子供がいて、膨大なデジタル写真の量に困った経験があります。四苦八苦しながらも、母として知っている情報やエピソードをまとめてアルバムを作り上げたとき、大きな満足感と安心感がありました。母としての役目を一区切り付けられたような(笑)それが、「家族写真集」の原型です。大事な子供のことを想えば、この情報やエピソードは、忙しいからとか今は必要ないからといって、残さなくていいはずがないと思ったんです。

ご家族が安心できるように、私の写真整理上級アドバイザーの知識でお役に立てることがあるはずだと思い、こころBOOKとして活動しています

これからやっていきたいことはありますか?

ご年配の方々の写真を整理して差し上げたいですね。

おじいちゃんおばあちゃんにも、幼いころやキラキラとした学生時代、働いて子供を一生懸命育てていた時期があると写真を見て知ったなら、見方が変わり、おじいちゃんおばあちゃんの人生に愛着を感じると思うんですよね。

家族写真集を囲んで、ご家族でたくさんお話していただければ、とても嬉しいですね。

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