【楽人 No.2】 地域貢献ライブを開催する元石川高校・後編~

たまプラーザの街を舞台に、人を巻き込んで楽しんでいる人にインタビューをするたまプラ新聞とロコっちの共同企画「楽人」。2回目は、昨年11月より、3丁目カフェで地域貢献ライブに出演する元石川高校の高校生のみなさんと、担当教諭である敷島岳史さんにお話を伺いました。途中で神奈川県立高校唯一の民間出身の校長、岡部佳文さんも飛び入り参加しました!

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バンド演奏以外の演目もあるのですか?

齋藤(More):私達は、社会問題をテーマとした歌を歌うパフォーマンスグループです。今までたまプラーザの商店街のお祭りや、たまプラーザテラスの神奈川県警のイベントなどにも出演しています。みんなが知っている曲を歌って引き込んでから、テーマ曲を歌うという流れが多いです。客層に合わせて、松田聖子からおどるポンポコリンまで披露します。

取り上げるのはどのような社会問題がテーマですか?

齋藤:振り込め詐欺防止や自転車の交通ルールの訴求をします。岡部校長先生が前にいらっしゃった上鶴間高校のフレア、という地域貢献型アイドルグループから受け継いだ曲が中心ですが、2月2日のライブでは初めてオリジナル曲を披露します。テーマは振り込め詐欺で、メンバーが作詞し、卒業生が作曲しました。フレアはアイドル感が強かったので、自分たちらしくバンドっぽい編曲にしていただいています。今までダンスと歌の両輪でしたが、テーマとなる社会問題をしっかりと訴求するため、今後はダンスよりも歌をメインにしていく方針です。

岡部さんが、上鶴間高校で地域貢献型アイドルを作ろうと思ったのはなぜですか?

岡部:入社はしませんでしたが、就職活動時にレコード会社に内定をもらっていたくらい音楽が好きで、いつか音楽で何かやりたいなという思いを漠然と持っていました。上鶴間高校の校長をしていた時に、創立35周年の節目があったのですが、その時に生徒会からアイドルを作りたい、外にアピールしたいという要望があり、チャンスが来た!と思いました(笑)
その後、構成作家とディスカッションなどもして、コンセプトを決めていきました。一般的に、高校生の地域貢献やボランティアはやらされている感が強いと思います。しかし、そうではなくて、得意なもの、やりたいことが結果的に人のためになるのはとてもいいのではないかと考え、地域貢献型アイドルという形で高校生から社会に対してメッセージを発信して行こうということになりました。神奈川県警とのタイアップを中心に活動していました。

元石川高校に異動された際に、同様の活動をやる生徒を募集したのですか?

岡部:元石川高校には3年前に異動してきて、私はぜひそういった活動をやってほしかったのですが、おとなしい生徒が多く、その気になってくれなかったのですね。しかし、ある日、現在のMoreのメンバーとバスで乗り合わせて話をした時に、この子は面白そうだなと思い、提案してみたところ、やってくれることになりました。本人は「校長先生からナンパされた」と言っています(笑)
上鶴間高校のフレアからのれん分けした形ではありますが、Moreは「私達はアイドルではなくパフォーマンスグループだ!」と言うので、彼女たちに合わせて曲などは変えていっています。

今後の活動予定や目標を教えてください。

敷島:現在は、学校行事との兼ね合いも考えながら3か月に1回程度やっていければと思っています。次回は6月あたりにできたらいいですね。生徒の方から自発的な地域とのコラボ活動のアイディアが出てくることを期待しています。学校としては、このような活動を通じて地域と学校の理想の形を模索していきたいですね。地域からの孤立や、核家族化が進む社会状況の中で、自分の親・学校の先生・塾の先生以外の大人を知らず、厚みのある大人になれるのだろうかという懸念を持っています。地域の方々のいいところを吸収しながら、生徒たちが育っていけるようになるといいなと思います。また、地域に向けては、一人暮らしの高齢者の方に足を運んでいただけるような楽しみの場を提供していきたいです。

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社会問題をテーマとした歌を歌う地域貢献型パフォーマンスグループ。もともとはボランティア委員会が発祥のグループだが、4人全員がダンス部に所属。椎名林檎を尊敬している、という齋藤千夏さんをはじめ、将来音楽の道に進みたいというメンバーも多い。

たまプラ新聞(写真/長坂 断)
取材風景はたまプラ新聞で