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心理カウンセラーとメンタルトレーナーになろうと思ったきっかけを教えてください
千葉さん:きっかけは、子供の自立です。子供が二人いるのですが長男が大学4年生のときに、目指していた公務員試験に合格し、晴れやかに大学を卒業していく姿を見て、自分の役割を終えたような気持ちになりました。
藤戸:それはどのような気持ちだったのでしょうか?
千葉さん:それまでは、母親業がメインでパートの仕事もやっていました。子供が自分の夢を叶えている姿を見て羨ましくなり、自分も何かを見つけたいと思うようになりました。
藤戸:そこから、どのような経緯があって今のお仕事にたどり着いたのでしょうか。
千葉さん:パートでは営業事務の仕事をしていました。営業をサポートする仕事は自分に向いていると思っていましたが、何か物足りなさも感じていました。そこから漠然と人のサポートをする何かをしたいと思っていて、ちょうどその頃に夫が病気になって、ずっと続けられる仕事に就いて、1人で生きられるようにしなければとすごく考えました。
藤戸:それは大変でしたね。
千葉さん:そうですね。夫と息子のことが一歩踏み出すきっかけになりました。
どうして心理カウンセラーになろうと思ったのですか?
千葉さん:ニュースで取り上げられた日本の幸福度の低さがずっと気になっていて、それは自分自身がいじめを受けた経験もあったからだと思うのですが、私の子供時代は、見た目は元気でもなんだか苦しい気持ちがいつもありました。
なので、心から笑顔の人を、特に子ども達をたくさん作りたかったのだと思います。人とつながり、人を笑顔にする仕事って何だろうと考えた時に、「カウンセラー」がピンときました。カウンセラーという職業は若い時にやってみたかった仕事だったのを思い出して、民間のカウンセラー養成スクールに入学しました。
藤戸:そうだったのですね。それはいつ頃だったのですか?
千葉さん:コロナの少し前です。心理学を学んで試験を受けて、プロフェッショナル心理カウンセラーの資格を取得しました。
藤戸:そこをご卒業されてからどのような活動をされているのですか?
千葉さん:ちょうどコロナ禍だったこともあって、自治体や国などが相談窓口を次々と開設していました。そのような所から相談員の仕事を始めました。
藤戸:多くの人がカウンセラーの力を求めていたときですね。
千葉さん:そうですね。老若男女問わず様々な人と関わって、自分の人生経験が活かされているのを感じました。
藤戸:千葉さんのご経験がいろんな世代の人たちを笑顔にしたのですね。
千葉さん:その思いで相談を受けてきました。
藤戸:心理カウンセラーのやりがいはどんなところにありますか?
千葉さん:とても落ち込んでいるところからいきなりハッピーになるのは難しいけど、その前に「これでもいいのかな、ちょっと安心する」みたいな段階があって、「もう何もかも嫌だ」くらいだった人が「もうちょっと頑張ってみるか」とか「なんか元気出た」とか言ってもらえるとやりがいを感じます。
藤戸:そのように悩んでいる人たちはどうやってコンタクトを取ってくるのですか?
千葉さん:匿名性の高い窓口にはご本人が話しに来てくれますが、対面での相談には周囲の方がご相談に来られることが多くて、そこからご本人につながることがあります。
私は子供の頃、嫌なことがあっても誰にも言わず、自力で何とかしようとしてこじらせました。今なら悩みは放置しない方がいいとわかります。
子どもの時は視野が狭いので、寄り添ってくれたり、ちょっといいアドバイスをくれたり、そんな大人に相談できれば早く立ち直ることができるのではないかと思います。
藤戸:そうですよね。大人になった今だからこそわかることがありますよね。若い時にそういう大人に出会えるといいですよね。
千葉さん:乗り越えた経験があるから伝えられることがあります。
藤戸:たくさんの人を笑顔になってほしいという思いで活動されていると思いますが、これからはどのような活動を予定していますか?
千葉さん:地元のたまプラーザで気軽に相談できる居場所のようになって、継続的にサポートをしていきたいと思っています。
どのようなサポートなのか、もう少し詳しくお聞かせください。
千葉さん:悩みとかストレスは次々に湧いてきてしまうものなので、温泉とかマッサージに行く感覚で心のケアのハードルを下げられたらいいなと思っています。
どのようなやり方なのですか?
千葉さん:まずはじっくりと話を聴いて心に溜まったものをスッキリして頂きます。そして、例えば人の目線が気になってうまくいかないとかイライラして物に当たってしまうとか、そのようなお悩みがある場合、どんな時にそうなるのか状況や事柄を整理して、次にどうしたら改善できそうか、一緒に考えます。ストレスマネジメントや感情のコントロール、人間関係のスキルアップなどを対応します。
藤戸:アスリートのメンタルトレーニングのようですね。
千葉さん:そうですね。実際に私が学んだアカデミーでは多くのアスリートをサポートしています。他にも受験や就職の面談などにも対応します。アスリートが活躍されるのは特別にメンタルが強い人だからというわけではなくて、トレーニングすれば誰でもメンタルを強くできます。
メンタルトレーニングはどのようなところでやっているのですか?
千葉さん:企業や専門学校、塾やスポーツ教室などでやっています。「集中できない」とか「やる気が出ない」とか「人間関係がうまくいかない」といった課題に対応しています。
藤戸:社会貢献にもなるお仕事なのですね。
千葉さん:社会課題の解決をめざしています。
心理カウンセラーにはどのようなスキルが求められますか?
千葉さん:1つ目は聴く力です。傾聴スキルは必須です。2つ目は客観的に整理する力です。そして3つ目は言葉を伝える力でしょうか。自分の価値観をぶつけずに、相手にとって必要なことをしっかりと伝えなければなりません。私は沢山失敗して落ち込んだ時もありましたが、勇気づけられた言葉がいくつもありました。今度は自分が心に響く言葉を届けたいなと思っています。
藤戸:千葉さんのところに来て相談していた人たちが、将来は千葉さんのような仕事もできるってことですよね。
千葉さん:そうです!様々な経験が心理職で活かされます。ただ、この仕事は自分がハッピーでないと続けるのは難しいと思っています。なので、私自身が喜ぶことをやるのを大切にしています。
藤戸:自分がハッピーでいるためにどのようなことをやっているのですか?
千葉さん:自分がやりたいことをやっていると素敵だなと思う人に出会えますし、会話して相手を知ることは自分の糧になっていると思います。いろんなことに好奇心があるので、感じたことはやってみて、自分が成長できるのはハッピーです。
5年後10年後の夢や目標を教えてください。
千葉さん:年齢や性別とか担っている役割に関係なく、素の自分になって笑顔になれるような居場所になりたいと思っています。同じような思いの人に沢山出会って、幸福感あふれる居場所を広げていけたらと思います。
藤戸:そこに行くと肩の荷が下りて自分らしく楽に楽しく笑顔で生きていける居場所になるということですね。カウンセラーにあたり前に相談ができるようになっていてほしいですね。
千葉さん:そうですね。私たち世代にはカウンセラーに馴染みがなくて、相談するのはハードルが高いかもしれないですが、今は小学校にもカウンセラーが在籍するようになりました。大人の方にも気軽に相談して頂いて、多くの方に心からの笑顔でいてほしいと思います。
藤戸:小学校ぐらいからカウンセラーに気軽に相談できるようになれば大人になっても気軽に相談できるようになるように思いますね。今日は長々とありがとうございました。