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「街のはなし」とは
2014年から,美しが丘中学校1、2年生の夏休みの宿題「わがまち新聞」「未来のわがまち新聞」とからめて,アーティスト谷山恭子が立ち上げた冊子形式のアートプロジェクトです。
1970年代、ニュータウンとして造成された美しが丘の街が独自のアイデンティティーをもち、若い世代にとっての「ふるさと」となっていく”プロセス”をアーカイブしています。
2017年より運営主体を地元住民にうつし,住民の声で綴る「町史」を作るプロジェクトに発展しました。自分たちの生活の場である街の成り立ちや、そこで暮らす人たちの街への想いをアーカイブし、”街の歴史を語り継ぐ”ことはこの美しが丘の街が未来にむけて持続・成長しつづけることにつながっていくはずです。
いまある環境はあたりまえにあるものではなく、住み手によって積み重ねられてきたことを知ることで,自分たちの街の未来をかんがえるきっかけとなります。まちづくりのスピリットをつないでいくために地域住民が中心となって、街の「昔」を語り継ぎ、「シビック・プライド」をはぐくみ、街の未来像を多世代みんなでえがき,リードしていく場作りを目指す活動です。2014年から1〜6号が発刊されています。
美しが丘の街ができてすでに50年以上がたちました。京都や鎌倉の悠久の歴史にくらべたら、それは短い時間ではありますが、50年といえば半世紀。けっこうな時間です。
「街のはなし」のインタビューでは「美しが丘であなたのいちばん好きな場所はどこですか?その理由を教えてください。」という問いかけにたいして毎年、幼稚園児から80代まで各年代のかた11名にインタビューし、その思い入れの場所の緯度・経度を特定します。なぜ、そこが好きなのか、その場所にどういう思い出があるのか、とたどっていくなかで街の歴史が浮かび上がってきます。
冊子の写真は、1~5号谷山恭子撮影、6号藤井本子撮影。(ペアツリーの写真は谷山恭子撮影)
谷山恭子が東日本大震災のがれき撤去のボランティアにいき、その場所の何丁目何番地という所在がすべてなくなってしまったときに、いま自分が立っているこの場所を特定するのは緯度・経度(Lat/Long)しかない…と感じた経験から、それぞれの地点にある、「わたしたちの日常に感謝し、いつもとかわりない日々を祝福するプロジェクト。」Lat/Long (緯度経度)プロジェクトを発端としています。
「街のはなし」をご覧いただくと、どれも短くまとまっていますが、みなさんそれぞれ1時間ほどお話しいただいた内容を地域住民のボランティアたちがテープ起こしし、そのなかから作家が言葉を拾い上げてまとめていき、また、その場所の現在の写真を撮ります。
このプロジェクトはWISE Living LabさんかくBASEの自主事業として住民が「街のはなし」 実行委員会を立ち上げ、おおくの方々が冊子の制作(インタビューのテープ起こしや文章の校正、写真の選定など)にたずさわっています。谷山恭子は2018年より活動拠点をドイツにうつし、6号のインタビューにはZoom(PCやスマートフォンでセミナーやミーティングをオンラインで開催するために開発されたアプリケーション)で参加しました。
コロナウィルスの蔓延により、不安定な日々がつづいています。お家で過ごす時間にお読みいただき、自分たちの街のことに思いを馳せてみませんか?
「街のはなし」の購入方法
「街のはなし」は皆様のご寄付で成り立っています。冊子のご購入、もしくは直接の寄付も大歓迎です。
冊子ご注文は contact@machinohanashi.com へメッセージを。2号〜6号(1号は在庫なし。ごめんなさい)各1冊に付き寄付金500円(+送料)、2冊以上ご希望の方は1冊450円に割引します。(送料は5冊まで180円)
昭和薬局、3丁目カフェでも取り扱っています。
どうぞ、ご支援をよろしくお願いします!ウェブサイトはこちらです。
ベルリンの谷山恭子より
「街のはなし」に関わってくださっている方、これから知ってくださる方へ
こんにちは。
コロナウィルスの広がりで、世界中で日常の「当たり前」が随分と変化しましたが、お元気でお過ごしですか?
2020年3月31日に、「街のはなし」6号(2019年度)が出来上がりました。みなさまのご協力で、6号も良い仕上がりです。そして、7月15日からは2020年度版7号の制作がスタートします!
6号は、たまプラーザ・美しが丘へ仕事や地域活動でひんぱんに足を運ばれている方々の、街との関わりをインタビューする機会に恵まれました。さまざまな視点からのたまプラーザ・美しが丘のお話を楽しんでお読みいただければ幸いです。
2020年3月31日発刊「街のはなし」No.006号。企画:谷山恭子、文:谷山恭子、編集・写真:谷山恭子/藤井本子、校正:藤井本子/辺見真智子/伊藤賢子/谷幸子、冊子デザイン:永松大剛、印刷:藤原印刷
10年継続を目標にかかげている「街のはなし」も7号から折り返しです。あと4年、目標を達成できるよう引き続き活動してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
世界中で不測の事態が日常のデフォルトへとなってきています。
幸い日本はとても清潔で生活習慣が欧米と違うために感染症の影響は緩やかですが、社会活動には大変厳しい状況が生まれてきています。
一方、この世界的な危機を互いに助け合い乗り切った先には、いままでよりも、もっとそれぞれが助け合い尊重し合う未来がやってくるのではないかと、祈りに似た期待も持っています。
そして、いままでの「街のはなし」をとおして、わたしは、たまプラーザ・美しが丘には、すでにそんな未来を実現しているコミュニティがあると感じています。その場所に宿る人の想いを丁寧に残していくことは、きっと人と環境に思いやりのある未来の糧になるだろう、と信じています。
なかなか先の見えない状況ですが、ご自身と周囲のかたを大切に、安全に健康にお過ごしください。
2020年度7号の「街のはなし」はリモートで活動してまいります。Facebook、Twitterや街のはなしウェブサイトで、告知していきますので、ご自宅でお時間があるときには、ぜひオンラインの公開インタビューやそのほかの朗読会、写真選考会などのイベントにご参加ください!