さて、インテリア関係の取材第2弾は、新石川にある『サードカントリー』です。
あざみ野駅から徒歩約5分、たまプラーザ駅からも10分弱のこのお店、地元の方なら一度は入ったことがあるのではないでしょうか。
お店の扉を開けると、たくさんの木の小物、無垢材のテーブルやソファ、そして最も印象的なのが壁面いっぱいに並べられたいろいろなデザインの椅子たち。
普通の家具屋さんではなく、ちょっと変わった面白いお店なのでは?という期待を持って、店長の高木優作さんにお話を伺いました。
前編では、数多くそろえられた椅子のお話を中心に紹介します。
目次
家具はすべてオーダーメイドですか?
オーダーで作っているのは一枚板や無垢板のテーブルと収納家具です。椅子は国産のいろいろなメーカーのものを扱っていて、セミオーダー形式になります。小物は国内外のものから選んで置いています。
テーブル天板用の一枚板
なぜこんなに多くの椅子を扱っていらっしゃるのですか?
ひと昔前、家具はシリーズで売られていて、テーブルと椅子4脚のセットが普通でした。つまり、インテリアに合うかどうかが重視されたわけです。
ですが、椅子は体に触れるものですし、身体の疲れとも関係するので、個人個人の体に合わせて選んでもいいんじゃないかと思うようになりました。
長年使うものですから、なんとなくセットだからというのでなく、一人一人が見た目や座り心地で選ぶ「自分だけの椅子」。その方が愛着も湧くし、もっとストーリーや深みのあるものになるんじゃないかと。そんな想いから、合う椅子を探していただけるように、たくさんの種類の椅子を用意しました。
もちろんインテリアに合わせてシリーズで買うという買い方もできるし、そうでない買い方もできる。形を揃えたい方も、いろいろな種類の椅子を置いて楽しみたい方も、1脚ずつ集めていきたいという方もいる。いろいろな考え方がある中で、ここに来ればたくさんの椅子から座り比べて選べる、種類にしても、買い方にしても、いろんな選択肢をご提案できるようなお店にしたいと思っています。
また、実際に見たり座ったりすることで、椅子って大事なんだなと感じていただいたり、椅子に少しでも興味を持ってもらうきっかけになればと思っています。
「自分だけの椅子」は魅力的ですね。テーブルはオーダーメイドで、椅子はセミオーダー、なぜそのような形態を取られているのですか。
椅子を個人個人の体型に合わせてオーダーメイドで作るのは非常に難しいんです。現在約70種類の椅子を置いているんですが、これだけの種類をオリジナルで揃えるのは無理です。その分、選択肢を増やすという意味でも椅子は種類を増やしてセミオーダーという形態にしています。木や布の種類を選べるので、自分に合う形の椅子を選んで自分の好きな樹種と張地で作ることもできます。他の家具と樹種などを合わせてインテリアとしての統一感を出すこともできるんです。
樹種のサンプル
なるほど。さながら椅子のセレクトショップですが、どんなメーカーのものを扱っているのですか?
もっとも多いのは、徳島県の宮崎椅子製作所のものです。NHKなどでも紹介されたことのある注目の会社で、グッドデザイン賞を取った商品もあります。海外の有名デザイナーが実際に訪れ、宮崎椅子製作所の技術により正規復刻したものもあるんですよ。宮崎製作所の椅子を複数置いているお店は神奈川県では少ないので、ネットで調べて遠方からわざわざ座りに来てくださる方もいらっしゃいます。
ほかには飛騨高山、福岡、北海道など、国産の椅子に特化しています。国産の椅子は日本人の体型や生活に合わせて作っているので、より日本人向けなんですよ。
宮崎椅子製作所にて正規復刻したカイクリスチャンセンのソファ。
たしかに国産の名作椅子がいろいろ座り比べられるのはいいですね。
最近はネットで家具を買う人も多いのですが、椅子は是非実際に座って選んでほしいと思います。たくさんの種類の座り心地を比べられるお店は少ないです。ダイニングでお酒を飲みながらゆっくりしたい、子供が小さいので木の方が気楽、包み込むような感じが好き、座面が硬い方がいい、柔らかい方がいい、蒸れない素材がいい、など、座り心地や好み、ライフスタイルに合わせて選んでいただきたいです。
価格も2万円台〜10数万円のものまで様々な椅子