たまプラーザの駅からイトーヨーカドを過ぎて、少し坂を登ったところにある「AIプラスクリニック」。AIプラスってなんだろう?と思いながら足を踏み込めずにいましたが、今日はその疑問を解消すべく、院長の佐藤靖郎さんにお話を伺ってきました。
目次
開院のきっかけと 理想とする「チーム医療」の形
ロコ:まずは、「AIプラスクリニックたまプラーザ」を開院されたきっかけや、先生が理想とされる医療についてお聞かせください。
佐藤先生:若い頃は抗がん剤メーカーであるロッシュの研究所で薬の選定に携わったり、抗がん剤のレジメン(治療計画)を作っていました。また、東京や横浜の総合病院を中心に勤務し臨床経験を積み、42歳の頃に「地域連携クリティカルパス(地域連携パス)」を考案しました。これは病院と地域のクリニックが連携してがん患者さんを5年間見守る仕組みで、現在は日本の「がん診療拠点病院」の認定に不可欠なスタンダードとなっています 。
この実績から、北は北海道、南は沖縄まで、全国の病院で講演を行う機会をいただきました。


多くの病院を巡る機会をいただき、各地の医療スタッフと接するうちに湧いてきたのは、「いい病院って何だろう?いいチームって何だろう?」という探究心でした。
日本の医療は標準化されていて、一見同じように見えます。しかし、詳しく分析すると、高い評価を得ている病院には共通点がありました。
医師の能力が同じでも、他の医師の能力や看護師の観察力、技師の習熟度、機材の解像度がそれぞれ1.01や1.1と、わずかに標準を上回っているんです。これらが掛け合わさることで、診断の精度は指数関数的に高まります。
ドジャーズに大谷がいれば強いのは当たり前だけど、エンジェルスに大谷がいてもあまり勝てなかったですよね。
同様に、優秀なスタッフと高度な機材による「集合知」こそが、最高水準の医療の正体であると気づきました。
道具も同じで、手術用具の選定から、CT、内視鏡など、「どの順番で道具を使うか」「この部品はどのメーカーのものが良いか」。その「ちょっとした違いの積み重ね」が、最終的な医療の質を高めると確信しました。
そこで、人と、その集合知のAIを隣に置くことで、一人診療であっても大病院レベルの「精度の高い決定」が可能になるのではないかと考え、このクリニックを開院したんです。


AI医療の原点と 地域の一員としての思い
ロコ:たまプラーザという場所に診療所を構えられたのはなぜですか?
佐藤先生:実は、ご縁があって良い物件に巡り合えたのが開院のきっかけです 。 私は福島県出身で、もともとこの土地に地縁があったわけではありません 。 しかし、開院するまでに神奈川県、横浜市、保健所、厚生労働省への申請を通して認可をいただき、それでやっと地域の方たちの中に参加させてもらっています 。 だからこそ、その一員として地域に貢献したいという思いは強いです 。
世界レベル、日本レベルの仕事も、原点は「地域の課題解決」にあります。たまプラーザ周辺の方々は、情報リテラシーや健康への意識が非常に高い。そうした場所で、AIを活用した新しい医療の試みをスタートできたことには、大きな意義を感じています。


ロコ:AIだけでなく、検査の効率化にも大変こだわっていらっしゃるそうですね。
佐藤先生:これは「地域連携クリティカルパス(地域連携パス)」の設計をする際に計算し、論文にも書きましたが、病院での待ち時間、滞在時間、移動距離、さらには通院にかかる交通費を「定数化」したところ、患者さんの移動距離が短ければ短いほど、診断や対応も早くなるという明確な結果が出ました。
AIが瞬時に診断しても、AIの良さを生かすには、検査結果が遅くてはダメなんです。だからこそ、院内検査にこだわり、通常なら数日かかる肝機能などの結果を15分以内に出す体制を整え、患者さんの負担を最小限にする仕組みを設計しました。
最新機器による迅速な原因究明
ロコ:私は以前、手に力が入らなくて不安な時期があったのですが、あちこち受診して診断が出るまで2ヶ月もかかってしまったんです。体調が悪い中での病院巡りは本当に大変で……。 結果的に大きな病気ではありませんでしたが、早く原因が分かることの大切さを身に染みて感じています。
ただ、いざ自分が受診するとなると「これは何科かな?」と迷ってしまうことがあります。具体的にどのような悩みがある時にこちらへ伺えばよいでしょうか?
佐藤先生:具合が悪い時でも、健康診断や人間ドック目的でも、どんな症状でもお越しください。日曜日の診察もしています。
当院ではオールラウンドに診て、症状の候補を絞り込むための検査を行っています。採血、レントゲン、エコー、CT、胃・大腸内視鏡といった検査を保険内で行うことができ、「これじゃない」という否定診断も迅速にできます。
その結果、専門的な治療が必要だと判断した場合は、すぐに日本でトップクラスの一流病院へ紹介状を書いて繋げます。
病気があるかどうかわからない状態から、最短で解決の道筋を見つけることが私たちの役割です。


ロコ:町の内科では検査機器が限られることも多いので、その場で詳しく調べてもらえるのは安心感が違いますね。
たくさんの診断を迅速に行うためには、多くの専門医が必要なイメージがありますが、実際こちらには何名の専門医がいらっしゃいますか?
佐藤先生:非常勤の医師は何名かいますが、医師として常勤でいるのは私だけです。私自身の専門は消化器外科ですが、昔の外科では、術後の合併症(呼吸不全、循環不全、腎機能低下など)を完璧にコントロールできるようになって初めて、執刀を許されました。
糖尿病が悪ければ傷は治らないし、心臓が弱ければ麻酔に耐えられない。つまり、外科医は「内科医」としての側面を持たないと、メスを握らせてもらえなかったんです。
縦割りの大病院なら各科に任せられますが、人手が足りない現場では、自分で判断して、自分で処置し、自分で責任を取るしかない。その「逃げられない環境」での経験が、今の「何でも診られる」という守備範囲の広さにつながっています。
デジタルを駆使し あえて「アナログ」な対話を大切にする
ロコ:専門医がたくさんいるわけではないけれど、先生がトータルで診て、必要があればその道のプロフェショナルに繋ぐというシステムなんですね。
ところで、ホームページにチャットボットを置いたり、クリニックのお名前もAIが全面に出ています。デジタルが苦手な方には少々ハードルが高い気がしますがいかがでしょうか?
佐藤先生:チャットボットやAIは、あくまでスタッフの業務を効率化するための「道具」です。お電話でも直接の来院でも、従来通りの対応を大切にしています。
昔の恩師に「医者だからって威張るな、お前より立派な人はいっぱいいるぞ。」と教えられてきました。
デジタルで効率が上がれば上がるほど、最後に差別化されるのは「ホスピタリティ」です。
例えば、買い物帰りにシルバーカーを引いたご婦人が、ふらりとお立ち寄りくださった折には、「今日は疲れましたね。お水飲みますか? 」「いらっしゃったついでに血圧も測っていきましょうか。」といったお声がけをします。そうやって、患者さんとしっかり目を合わせ、向き合うことでコミュニケーションが生まれます。
「デジタルを活用し アナログに行動する」。システムの効率化によって生まれた余白が、ホスピタリティの質を高め、私たち自身の成長にも繋がっています 。
お話を伺って、今思うこと。――先生の温かな信念
取材で拝見した最新AIによる肺画像は、立体的で部位ごとに色分けされ、病変が一目でわかるほど細部まで鮮明でした。数年前、父の闘病時に目にしたCT画像と比べてもその差は歴然で、画像診断技術の飛躍的な進歩に驚きを隠せませんでした。
また、「AI」という名称から、最近のファミリーレストランのようなシステム化された印象を持っていましたが、実際には、佐藤先生をはじめとする温かいスタッフが出迎えてくださる居場所でした。
特に「最後は自分で納得して治療を選んでほしい。お互い納得できないとダメですからね。」という言葉がとても印象に残っています。
高度な分析や機材へのこだわりは、すべて患者さんに寄り添う想いから来ているのだと、その言葉を聞いて深く納得しました。
気になる症状があればもちろん、日々の健康管理など、AIプラスクリニック たまプラーザに相談してみてはいかがでしょうか。
AIプラスクリニックたまプラーザ
横浜市青葉区美しが丘1-5-5 Retetamaplaza-1F
TEL:045-909-0117
FAX:045-901-7707
クリニックHP:https://aiplusclinic-tamaplaza.com/














