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山内小の取り組みとは?
子どもたちの学びの場であるジモトの小学校。少子化が騒がれる一方で、公立小学校の教員不足や働き方改革、PTA活動と仕事との両立、学校と地域との連携など、課題は尽きません。その学びの現場で生じる様々な課題に、協力して立ち向かっている大人たちがいることをご存知でしょうか?
「子どもたちのために、自分がなんとかしたい!」という人々が集まり、またその大人たちが連携しながら、子どもたちの日々の活動を支えている仕組みがあります。
今回は、市立山内小学校の「学校・PTA・地域学校協働本部(Yぷらす)」の仕組みと連携について、お話をうかがいました。
(人物紹介)
山内小学校校長 佐藤 正淳 (さとう しょうじゅん)さん 以下(校)
令和4年度PTA会長 齊藤 喬(さいとう たかし)さん 以下(P)
地域学校協働本部(Yぷらす)代表 荒堀 洋子(あらぼり ようこ)さん 以下(地)
皆さんそれぞれの活動の特徴を教えてください
(校)私達は子どもたちがワクワクできるチャンスをできる限り作ってあげたいと考えています。でも、学校の力だけでできることは決して多くない。そこで内外に向けて「誰か力を貸してくれませんか!」と互いに言い合える、気の置けない環境づくりを大切にしています。
例えば、小学校の日々の活動をInstagramで伝えたり、月に一度PTAの役員さんと「おしゃべり会」を開き、雑談まじりに学校についてざっくばらんに話し合ったりしています。
(P)PTAとしては、通常の委員会の他に、「あったかハートナー」という仕組みを導入しました。それぞれの保護者が持つ特技や人的ネットワークなどの情報を、任意で登録してもらうことで、学校の教育活動に参加・貢献してもらっています。例えば、子どもたちが描いた「ケヤリーフ」という山内小のキャラクターを、保護者のイラストレーターさんがアレンジして、LINEスタンプやキャラクターグッズを販売。その売上金を、噴火で被災したトンガに寄付したことで、なんとトンガ大使が山内小に来訪してくれました!その際も、保護者の通訳さんのお力をお借りしました。
(地)7年程前、私は山内小のPTA会長になりました。私自身仕事で忙しく、働いていても無理なく活動できるPTAにするために、様々な業務改善に取り組みました。時代にそぐわない仕組みや、ボランティア不足で役員に偏ってしまう負担などに対処する中で、「ワークシェアリング」という考えが生まれました。地域の皆が子ども達の幸せな未来を望んでいるのだから、それぞれのライフステージの中で、タイミング的に余力がある人の力を借りよう。在校生の保護者ではなくても、地域住民や卒業生、学生さん達の力も借りればいい。Yぷらすでは、そういう人たちと学校とを繋ぐ橋渡しをしています。
どんな想いを込めて活動されていますか?
(P)学校だけでなく、他の保護者やYぷらすに関わる人々と触れることで、子ども達の狭い社会が拡がっていきます。そして、多くの大人からの愛情を受けて育ってほしいという想いがあります。世間では、PTAはつまらないし大変だという声もありますが、その声が大きくなりすぎている気がします。子ども達にとって、価値ある環境や体験を与えられるように、任期の中で仲間と協力して創意工夫をすることは、とてもやりがいのある楽しい活動だと感じています。
(地)私たち大人も、社会や地域の人たちの貢献や努力に支えられ、守られながら、安心安全な生活を送っています。「恩送り」という言葉があるように、誰かが撒いてくれた種の恩恵を受け取り、いつか自分も誰かのために種を撒けるようになる。それらを実践している姿を、子ども達に見せ、引き継いでいければと思っています。ボランティアは、ライスワーク(食べるための仕事)ではなく、ライフワーク(生きがいとなる仕事)になり得る活動です。大人にもそれぞれに強みがあります。皆が笑顔で取り組める範囲で「能力の活かし合い」をすれば、必ず良いサイクルが生まれると確信しています。
(校)出前授業などで、本物に触れた時の、子どもたちのキラキラとした目。そういった感動を得られる機会を、どれだけ作ってあげられるかが大切です。そのためには、教師も、保護者も、地域の人々も、皆がワクワクしながら、「協働」の意識を持ち、一丸となって向き合っていく必要があります。会社でも家庭でも、課題があれば、前向きに議論して、より良いものを生み出すために知恵を絞るものです。我が子に「こんな青年、大人になってほしい」と思う姿に、自分達がなれているのかを意識しながら、覚悟を決め、魂を込めて向き合っていきたいと思っています。