以前「ひとり哲学ウォークinたまプラ」の記事でお目にかかったことある方もいらっしゃるかも知れませんね。
実は私、こちらのサイトで何度か紹介された「もやもやスッキリプロジェクト」のメンバーでもあります。
目次
「哲学カフェ」って何?
まず、「もやもやスッキリプロジェクト」について改めてご説明しましょう。
官庁発表のデータによれば、横浜市青葉区の主婦の抑うつ度は全国一の危険レベル。それを受けて、NPO法人OICHIまちなかbizあおばの有志メンバーが立ち上げたのが同プロジェクトです。
今回レポートするイベント「生きづらい主婦のための当事者てつがくカフェ」もその一つ。
2020年2月27日、たまプラーザにあるナーサリー&アフタースクール「ネス・インターナショナル」で開催され、私、月子がファシリテーター(進行役)を務めました。
「哲学(てつがく)カフェ」とは、カフェや公共施設などで市民同士が対等に、専門用語を交えず、様々なテーマについて対話する場、実践のことをいいます。1992年、パリで始まりました。
テーマは主婦の抱える問題でも、主婦以外の参加者を交えることで様々な視点が生まれることも
「なぜ意見の相違が対立を生むのか?」
さて今回のテーマ「なぜ意見の相違が対立を生むのか?」は、当日多数決で決まりました。
時節柄、最初の話題にのぼったのが新型コロナウイルスの問題。卒業旅行にディズニーランドに行きたい子どもと行かせたくない親との対立が議論の的になりました。
「卒業旅行というものは人生で二度と来ない」と主張する子に、「『あなた(子ども)の命を一番に守りたいのだ』という思いが伝わっていないのでは?共通の大前提があれば、おのずと答えは決まってくる」といった意見をはじめ、「正しい知識・データを共有していないのが原因」などとの声が聞かれました。
そこから共働き夫婦の一方が仕事を辞めて「独立・起業したい」「勉強したい」と相談された場合に、夫婦間で対立するのか?という話題に移っていきました。
双方の例を通じて、さらに対立の原因としてあげられたのは、
「普段相手とあまり対話していないから」
「相手に勝手に期待するから。親しくない人には期待しない」
「相手との違いを受け入れ認められないから」
「身近な人だと自分を投影してしまうから」
「『○○するべき』という思考をしてしまうから」
などでした。
ぬいぐるみを持っている人に発言権がある、というのがこの日のルール
特に結論を出すことは目指さない
こうしてたくさんの意見が出されたなかで、クローズアップされたのが「期待」という言葉。
「『期待している』という言葉かけは必ずしも重荷になるわけではなく、逆に期待されなければつらい」
「『期待』をかけられることは人間の成長に大事」
「『期待』するけど『あて』にしない、というのがいいのでは」
という風に、話題が「対立」から「期待」へと発展していきました。
そして「対立のベースには愛があるのではないか? 愛があるから期待どおりでないとがっかりする」という意見が出たところで時間となり終了。特に結論を出さないのも哲学カフェの特徴。ここで出されたさまざまな意見を各自が持ち帰って、思考を深めていってくれればいいなと思っています。
隣室から響く園児たちの声に対話が中断されても「社会のなかの哲学」をめざすカフェならOK
今回のイベントでは、東京より同業仲間がサポートにかけつけてくれました。
また今回のイベントを機に、「3丁目カフェ」さんよりプロジェクトに協賛をいただきました。
日々、手弁当で活動している「もやもやスッキリプロジェクト」では引き続き、企業・事業主様、個人の皆さまからの協賛を募っています。協賛にご関心のある方は、 cafesocietegm@gmail.com(カフェ・ソシエテ 月子)または info@oichi.org(NPO法人OICHI 坂佐井)までご連絡ください。