たまプラの八百屋さん発信!命の尊さを継承する~光青果 内藤社長インタビュー・後編

たまプラーザで50年、時代の変遷を見てきた八百屋さんと言えば、たまプラーザ駅前通り商店会にある「光青果」
食のコンシェルジュ 梅田やすこが株式会社光青果の内藤社長にインタビューをしてきました!50年間たまプラーザで青果店を経営してきたからこその、たまプラーザの地域への想い、野菜などの命への想い、家族観・健康・教育への想いなど、非常に感銘を受ける内容のお話を伺ってきました。

後編では、お店への思いについて語っていただいています。
前編を読む

それでもお店をやっていらっしゃるのはなぜですか?

お店を構えているっていうのは、地域の皆さんの食を、健康を支えたいってこと。卸しでやっているから、安くお客さんにもね、提供してあげたいよね。
ほら、このほうれん草だってね、小さめだけど色が濃いでしょ。ねぎ、白菜、ほうれん草、大根だのは寒くなって美味しさを増すんだよ。寒さを増して甘くなるのは、寒さから自分の身を守るために、水分を減らして糖度を増していくから。水分中の糖度を高くすると野菜は凍りにくくなるからでも。多少は凍っちゃうさ、そうすると縮れる。でもとなるとスーパーでは売れない。それでも美味しいんだもん。命を粗末にしちゃいけないよ。見た目じゃない。


不揃いなトマトだからこそ実現できるこの安さ!里芋は皮が剥いてある気遣い。

最後に地域の親御さんへのメッセージはありますか?

極力子どもにやらせてあげてほしいものだね。忙しいと思うんだけど。それと物の大切さがね、伝わってくれると嬉しいな。そうすれば犯罪もなくなってくんじゃないかな。子は親を見て育つと思うんだ、結果的には。自分の頑張ってる姿は子どもにも通じる。サラリーマンっていうのはそこがかわいそうだよね。うまく伝わらなかった時代ってのが、60代の人たちが頑張っていた頃なんじゃないかな。だから若い世代の人は大変だけど、そのことを頭に入れて子育てしてもらえたらなと思うよね。そのお手伝いができれば嬉しいね~。

お父さんは一生懸命仕事して、お母さんも家の事や仕事をして給料をもらってる、子どもたちはその親御さんたちのお陰で学校へ行ける。そして子どもたちは勉強ってかたちで学校から給料をもらってるんだよ。勉強=給料なんだから、学んできなさいってね。これは幼稚園でもそう。遊びまわるってことだけじゃない、お子さんに、先生から教えてもらってきなさいって伝えるんだよ。そうすれば子どもだって気持ちが変わるからね。
僕らの頃は1クラス65名くらいいたの。いろんな子がいたよね。僕はトップクラスで黙っちゃいない子どもだったけどね。でもね、僕が八百屋で成功したときにみかんを送ったんだ。そしたら先生が泣いて喜んでくれたんだよ。「あんな子がこんなに立派になって」って。
決して勉強はできなかったけど、大切なことは、いろんな人から学ばせてもらったって思うよね。だから僕は間違った道には行かなかった。
親がね、勉強が出来なかったらしっかり働けって。親父は警察官だったんだけど、「間違った事だけはするな」ってね。僕は3人兄弟の末っ子で上二人は勉強で行ったけど、僕は働くってね。僕がこうして50年たまプラで続けさせてもらってるのは、親の教えがあったからだなって思うよね。そういう社会の流れを、親は有難みをもって伝えていかないといけないんじゃないかな。


早朝から15時まで、内藤さんは毎日笑顔で店頭に立っている。

インタビューを終えて

インタビュー後、私はほうれん草やいちご、みかん、里芋などを購入し、自宅でいただいたいのですが、ほうれん草は小ぶりながらも甘みがあり、えぐみの少ないほうれん草でした。今回は娘に茹でたほうれん草の水気を切ってもらい、一緒に一口大に包丁を使って切る作業を。2歳の娘も鰹節と白ごまをかけただけで、パクパク食べてくれました。いちごやみかんも家族みんな笑顔で。里芋は皮をむいてくださったものだったので、すぐに調理でき、里芋の煮物とけんちん汁にして。

いつも懐に優しいお値段でびっくりすることばかりだったのですが、少しでも地域の方に命の美味しさを伝えたいというお心を感じて、感銘を受けたインタビューでした。管理栄養士として、改めて栄養素の知識以外の心を伝えることを継承していかなければならないと肝に銘じた有難い時間となり、心より感謝致しております。

ご主人、本当に心のこもったお話を有難う御座いました。
あっ!こちらの焼き芋も絶品です!!!午前中に行かないと買えないくらいの美味しさです。ぜひお立ち寄りくださいね。