不要でもゴミにしない!次世代へつなげるお片付けアメイジー株式会社

お片付けの会社は数多くありますが、不用品を処分するのではなくリユース(再利用)してくれる株式会社アメイジー。アメイジーならではのお片付けサービスについて、社長の古川(こがわ)めぐみさんに詳しく伺いました。

サービス内容を教えていただけますか?

女性が代表を務める捨てるお片付けの会社です。遺品整理をしたり、生前整理として施設入所のために部屋をお片付けしたり、最近では成年後見人からの依頼で、お部屋の荷物をまるまる撤去処分したりと、整理収納というしまうお片付けではなく、主に室内を空(から)にするお片付けをしています。 本来ならゴミとして処分してしまうところを、売却、輸出、寄付、リメイクなど、使えるものをなるべく細かく分別して、それぞれの再利用先に搬出。地球にやさしいお片付けサービスを行っています。

分別するのが大変そうですね!起業のきっかけは何ですか?

ちょっとマニアックな話になるのですが、わたしが生まれた年は公害国会と言われている年なんです。高度経済成長期の裏側で起きた大気汚染などが問題となり法整備が始まった年です。ですが、私は環境問題に興味を持つまでは、万博や安保条約など歴史の表側の事しか知りませんでした。

30歳を過ぎてから環境問題に興味を持ち、廃棄物の会社に転職しました。資本主義社会で活発となっている動脈の裏に、必要不可欠な静脈として淡々とクリーンにしていきたい、そんなイメージです。

いざ転職して営業職に就いたわたしは、遺品整理や物が捨てられない高齢者、ゴミ屋敷の女性など、物が処分できずに困っている方がたくさんいることを知りました。全て捨てる現場では、「誰かに使って貰えないの?」「捨てる前に片付けたい」「どうすれば良いかわからない」という方に多く出会いました。片付けや分別は慣れると大変ではなく、むしろ先延ばしにする事の方が大変な事になります。そうして片付けの資格をいくつか取得し、起業する事になったのでした。

いざゴミを処分するとなると高いイメージがあるのですが、いかがでしょう?

そうなんです、廃棄処分費用がいくらかなんてわかりませんよね。買うのは安くても処分は高いので、驚かれる方が多いです。でもそれは、何も分別しないで捨てるからなんですね。

弊社では前職のスキルを生かして、要・不要・リユースを分別するので、他業者と比較して4tの混合ゴミが半分になったり、その影響で金額が他の業者の見積もりと比べて46%安くなったりということを実現してきています。

物を捨てるという事は、ケジメをつけること。捨てることに対する罪悪感もありますので、リユースすることでそれが軽減されるという効果もあります。物に縛られないシンプルな生活を目指すことで、現在本当に必要なことが明確になり、今を大切に生きることができます。

実家をそのまま片付けられずにいるというような方も、家の幕を下ろすことで次がはじまりますので、一人で悩まずにぜひ相談していただけたらと思います。


実際のお片付け作業の様子

リユースしてもらえるとだいぶ気が楽になりそうね!そもそも、なぜ片付けられないのですかね?

片付けられない理由は、もともと捨てる習慣がなかったり高齢になってできなくなったりと人それぞれですが、自分の過去や自分自身と向き合わなければならないからだったりします。

ご依頼者の方が「捨てるに忍びない」「何もしてあげられなかった」というような罪悪感をできるだけ持たずに次の一歩に進めるよう、透明性を大切にしたやりとりを心がけています。


片付け前(上)と片付け後(下)。

実際に依頼するには、どのようにしたらいいですか?

まずは、サイトをご覧いただき、お電話かお問い合わせフォームでご連絡ください。実際に現場を拝見し、お見積りをいたします。お住まいの市町村で廃棄の方法が違いますので、一番ご依頼者にあったお見積りをご提案いたします。

それでは最後に今後について教えてください。

最近では、ご紹介や口コミ、士業の方などのご依頼も増えてきましたので、間口が広がったことを実感しています。 今後は、メンタル・廃棄物・リユースに強い女性スタッフをもっと増やし、現在チャリティという形でリユースしている部分をリメイク素材などで再利用する流れにしていきたいです。 入口(ご依頼)→作業(分別)→出口(リユース)と売れたものがまた活躍する循環になることで、美しい環境や地球にやさしい習慣を子どもや孫たちに遺せ、それが地球の未来につながると考えています。

取材を終えて

筆者も一度現場に同行させていただいたのですが、30万円以上の現金や貴金属など高額商品が続出しました。立ち合いなしで現場を任されるのも「古川さんなら大丈夫」というクライアントさんからの厚い信頼を得ているからこそだと感じました。 また莫大なモノを分別していくのですが、薄っぺらい一筆書きも見逃さない!救出され、チャリティーショップ行きになったモノたちから、歓喜の声が聞こえてくるようでした。

古川さんは、SDGs(国連の持続可能な開発目標)に賛同し、廃棄物再資源化工場に行ったり、ゴミ拾いのボランティアに参加したりと環境問題へ積極的に取り組まれています。 女性ならではの気遣いとサービスがすばらしい環境戦士アメイジー。最近では、地域ケアプラザで終活の講座なども開催されているそうで、ゴミを出さずにいいモノをなるべく長く使う習慣、そして使ったものを再利用するという環境への熱い思いがジワジワと広がっているようです。